ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【映画療法3】難波先生より

2018-02-20 12:36:41 | 難波紘二先生
【映画療法3】ジュンテンドーにプリンタ・インクを買いに寄った時、安売りのDVDがあるのが眼に止まり「ヴェラクルス」と「ロード島の要塞」を買ってきた。2枚で千円もしなかった。DVDもずいぶん安くなったものだ。

 「ロード島の要塞」(伊、1961:上映時間127分)はイタリア語原題が「Il Colosso di Rodi」で「ロドス島の巨像」という意味である。英語の類語にコロッスス(巨像)、コロッシアム(巨大競技場)がある。邦訳タイトルは完全な誤訳である。巨像は要塞ではない。
 「古代世界の七不思議」に
① オリンポスのゼウス神
② エフェソスのアルテミス神殿
③ ハリカリナッソスのマウソロスの陵墓
④ ロドス島のコロッソス
⑤ アレキサンドリアのファロス島の大灯台
⑥ ギザのピラミッド
⑦ バビロンの空中庭園
がある。

 ラテン語の有名な格言に「Hoc Rohdos Tante Hoc. (ここがロドスだ、ここで跳べ)」がある。
ロドス島からローマにやってきた高跳び自慢の男が、「ここでは条件が異なるから高く跳べない」と逃げるのに対して、取り巻いた群衆の中にいた賢人が怒鳴りつけた言葉だ。(出典不明)

 この映画は④の「ロドス島の巨像」をテーマにしたもので、この島の主港の入り口には股を開いた巨大なアポロンの立像が設置されていて、像の股をくぐって、船が港に出入りするようになっていた。
 後に「マカロニ・ウエスタン」で売り出したセルジオ・レオーネが監督している。1950年代後半から60年代にかけて「歴史劇」映画が流行したが、これもその一つだ。
 エーゲ海の南東の端に位置するロドス王国、南のフェニキア、北のマケドニア、北西のアテネがからむ、前280年のロドス島における、専政王とそれに対抗する民衆(デモス)、それにフェニキアと組んで王位を簒奪しようとする佞臣などが出てくる、東部地中海の政治紛争劇だ。

 ストーリー展開が、私の知る「古代ギリシア史」の知識と一致せず、一旦静止画モードにして、
★ J.M.ロバート「世界の歴史2:古代ギリシアとアジアの発展」(創元社、2003)
★ 桜井万里子/ 本村凌二「世界の歴史5:ギリシアとローマ」(中央公論社、1997)
を読みなおした。DVDはこれができて、「チャプター・メニュー」もあるから便利だ。

 その結果、フェニキア文字がロドス島→クレタ島→(ギリシア本土の)ペロポネソス半島の順に伝えられ、「ギリシア文字」に変わったのは事実だが、ロドス島が前280年に巨大地震に襲われ町が壊滅したという史実はない。WIKI「ロドス島」の記載は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%89%E3%82%B9%E5%B3%B6
がほぼ正確である。
 映画脚本には大地震で壊滅した西の「クレタ島」(クレタ文明の崩壊)の話が混入していると思った。

 人類学的に見て面白いと思ったのは、主役のダリオス(アテネの勇敢な戦士、ロリー・カルホーン主演)が王に対する陰謀の罪でつかまって、両手首を縛られ天井から吊される場面だ。
何と彼の腋窩には、上側(腕側)にも下側(胸側)にもびっしりと脇毛が生えている。
 こういうのは初めて見た。日本人ではたいてい上側だけに生えている。
 残念ながら、女優の場合、脇毛を剃っているから、映画でもじっくりお目にかかったことがない。

 最後の、大地震により、石ブロックをモルタルで接着した高層建物が、次々と倒壊して行くシーンは、実写だけに強烈な迫力があった。
 史実にこだわらない娯楽作として楽しむにはよいだろう。が、私はかえって頭が疲れた。


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