.【お気の毒】M3から来るメールを読んでいると、医事訴訟はますます増え、内容もべらぼうな金額になっている。損害賠償額はだいたい1億円という相場だ。内容も「余命告知をされたから、患者がパニクって治療を受けずに死亡した。だから余命告知をした医者の責任だ」とか、心臓病の治療の後、退院した際に医者が心筋硬塞の薬を出さなかった。だから発作を起こして死亡したとか、多様である。
人間の死亡率は100%であ . . . 本文を読む
【事の真相】ネット記事でも週刊誌、新聞、総合雑誌でもわからないことが、宮学、小林健治『橋下徹現象と差別』(モナド新書)を読んですっきりと腑に落ちた。
私はテレビはニュース番組しか見ないから、当時大阪府知事の橋下徹という字は「はしした・とおる」と読むものとばかり思っていた。「はしもと」と読むのだということは、家内に教わった。新聞もこういう場合は、ふりがなを付けてくれないと困る。が、この「 . . . 本文を読む
【国家】「マッチするつかの間の海に闇深し 身捨つるほどの祖国はありや」(寺山修司)
「産経」が「国民の憲法」を発表し、自画自賛的な記事でさかんに「国民の国防の義務」を強調しているのを読むと、ふと寺山修司のこの絶唱を思い浮かべる。「産経」も「中国」も「国家とは何か」という重要な問題を脇に置いて、改憲問題を報じているようだ。
「産経」などは、フランス、イタリア、スペイン、ドイツの憲法条文を持ち . . . 本文を読む
【友あり】遠方より来たる、また楽しからずや、という(「論語」)。1970年代、アメリカ留学の時代に知りあった名古屋の友人がいる。7年前、アメリカに住む娘の結婚披露宴(式はカリフォルニアでやった)に、夫婦で自宅に一泊してくれ、宴に出てくれた。その後、ご主人はパーキンソン病を患い82歳で亡くなった。
未亡人がその友人とともに昼前に訪ねてきてくれた。折から広島市では「菓子博」が開かれていて、友人と . . . 本文を読む
【山口瞳】の『江分利満氏の優雅な生活』(ちくま文庫, 2009)、『血族』(文春文庫, 1982)をAMAZONから取り寄せて読んだ。いずれも刊行当時、それなりに評判になった本だが、読むヒマがなかった。その結果分かったこと。
「産経」に息子山口正介『江分利満家の崩壊』の書評を書いた小玉武という人物は、ちくま文庫の「解説」を書いている。その中で、<(山口氏が)直木賞を受賞するその前後の数年間、 . . . 本文を読む