愛国日報

不動産屋・電気制御システム屋の思いつき・出来事。

想いではグラスの中に_13

2007-10-16 23:38:01 | Weblog
3月の最後の土曜日、その日は朝から現場入り。

取材に追われていた。

少々寒いが今日も晴れている。

昼飯を食いにファミレスへ入った。

最近どこでも皆、携帯と睨めっこだ。俺もそうだ。

「おい、田代、お前最近なんか顔色悪くねえか。」

相棒の田代はなんか元気がない。

「高霧さんこそ、よくそんなに元気でいられますね。」

「クライアントのSさん、1週間も前からメチャメチャ機嫌が悪いじゃないですか。」

「あの人はいつもだろう。」

みんなこの時期は忙殺されている。

こいつ・・・、神経細か過ぎんだよなあ。

でも、言われてみると俺も元気だ。

自分で言うのもなんだが。

食事も終わり、ファミレスを出て田代は一足早く現場へ行った。

俺は、その足でコンビニへ。

『まてよ。そうだ。電話してみよう。』

あれから1週間程たっている。

まだ寝ているか。

携帯を取り出し電話をかけてみた。

呼び出し音は鳴っているが出ない。

やっぱ、寝ているんだろうなあ。

切った。

現場へ向かって歩きだしたとき、俺の携帯が鳴った。

着信を見ると彼女だ。

「ごめんね。」

「なにしてるの?」

「ん?」

「いや、いいんだ。俺、今仕事(現場にいる・・・なんて言ってもわかんねえだろう)。」

「頑張って・・・・・・。」

「今、小田急のどこにいるの?」

「今・・・あ~、川奈。」

「あれ?。また、川奈?。」

「新しいお店、あ~仕事・・・少ない。」

「ああ、そうなの。この前のメール、分かった?。」

「分かった分かった。・・・会いたいよ。」

「俺もだよ。」

偉く声が弾んでいるよう。

「じゃ、また会おう。」

日本語がこの程度。電話だと、こっちも向こうも殆ど会話にならない。

その頃、彼女の母国語の本を買ってチョコチョコ、メールしていた。