理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄536 疲れない脳をつくるには?

2016年04月06日 | Weblog
2日の土曜日は四国の高松で会員の勉強会とセラピー体験会、翌日の3日は倉敷でも同様に行ってきました。立て続けに3人や4人の方にセラピーをさせて頂くのですが、全く疲れません。逆に気力が充実してきて元気になっている気がします。施術が本当に好きなんだなと自分でも思っています。

最近「疲れない脳をつくる生活習慣」石川善樹著に出会いました。目次などを見たときにとても興味が湧き、早速、購入して読み始めています。まだ、全てを読んだわけではありませんが、瞑想のことが主に書かれています。とても面白そうなところをピックアップしてご紹介しましょう。

脳が発達するのは若い時だけで、構造が作られれば、あとは退化するだけと思われていましたが、脳には可塑性があり、トレーニングを重ねることで、変わっていくことが分かったのです。

イギリスのタクシー運転手はロンドンの町中の2万以上の道をすべて把握していないと運転手になれないのだそうです。合格するのに平均で4年もかかるといわれています。

この人たちの脳を調べたところ一般の人に比べて、記憶を司る「海馬」の部位が非常に厚くなっていたのです。ベテランになるほど海馬が厚くなっていることも分かったそうです。

それでは普段から瞑想をしている人と全くしていない人では変化があったのでしょうか。実は普段から瞑想している人の「前頭前野」や「海馬」で神経細胞の密度が増加し、厚くなっていることが分かりました。「「前頭前野」は思考や創造性、意思決定など、高次の精神活動を司っているところです。

さらに、瞑想は脳の真ん中にある「扁桃体」を縮小させるという研究も報告されているそうです。「扁桃体」は怒りや恐怖に深く関係しており、怒りを感じてカーとなると「扁桃体」は活性します。

すると体内にコルチゾールというストレスホルモンが発生し、これが増えると人間の理性が働かなくなり、感情が暴走してしまうのです。

科学者たちは「扁桃体ハイジャック」と呼んでいます。怒りが怒りを呼んで手がつけられなくなってしまうのです。この「扁桃体ハイジャック」には瞑想はもってこいのトレーニングなのです。

8週間の瞑想で扁桃体が縮小したという研究報告もあります。瞑想で得られた感情をコントロールする能力は、瞑想をしていない時でも持続することが分かってきました。冷静に平常心を保つためにも瞑想は欠かせませんね。

瞑想には「調身」「調息」「調心」が大切だとも記されていました。これも私たちがいつも言っていることですね。瞑想の素晴らしさが、科学的な視点からも記されていますので、ご覧になってはいかがでしょうか。

さて、紹介されている瞑想の方法をご紹介しましょう。最初に「調身」で、姿勢を整えることから始まります。次に「調息」、ゆっくり鼻から5秒ほどで息を吸います。そして吐く時は鼻からでも口からでもかまいません。10秒から15秒かけてゆっくりと吐きます。

呼吸が整ったところで、次が「調心」です。しかし、普段から瞑想を行っていないと、中々心を整えることができません。そこで、もっとも基本的な調心は、一つの対象に集中する方法で「集中瞑想」と呼ばれています。

初心者は自分の呼吸に集中するのがいいでしょう。ゆっくり呼吸をしながら「ひとーつ」「ふたーつ」と数えると呼吸に集中しやすくなります。集中瞑想をすると脳の「前頭前皮質」が活性化され、集中力や記憶力、意思決定力といった認知能力を鍛えることができ、さっと集中できるようになります。

もう一つの調心は「観察瞑想」と呼ばれるもので、瞑想をすると色々な邪念が湧いてきます。しかしこれを打ち消すのではなく、もう一人の自分が映像を見ているかのように声には出しませんが、実況中継していくのです。余計な判断や思案を追い出すことにもなります。

食事をしている時に仕事のことを思い出したり、書類をまとめなければいけないときにメールが気になったりというように放っておけば暴走してしまう思考や感覚に振り回されず、客観視できるようになるためのトレーニングが観察瞑想なのです。

いかがでしたか、本にも書かれていますが、実践することが大切です。一日5分の瞑想から始めましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士