理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄526 『寝たきり社長』の行動力

2016年01月20日 | Weblog
本格的な冬将軍のお出ましですね。春を思わせる暖かい日が続いていただけに寒さがこたえます。気温の変化が大きいだけに体調管理には充分注意しましょう。

さて、日曜日のTBSテレビの「夢の扉」をご覧になりましたか。重度の障害者で寝たっきりでありながら、企業を立ち上げた「佐藤仙務(24歳)」さんが紹介されていました。

今、ビジネス界で大きな注目を集めている若き起業家です。昨年、優れた経営者に贈られる「日本ベンチャーアワード」でアントレプレナー特別賞を受賞されました。この他にも驚くことばかりです。働く従業員は、“重度の障がい者だけの会社”というのです。

佐藤さんは、「脊髄性筋萎縮症」という10万人に1人と言われる難病で筋肉を動かす神経に問題があり、徐々に筋肉が委縮し、体が動かなくなってしまう難病です。動くのは、両手の親指がわずか1センチ動かせられるだけで、一日中、寝たきりの状態です。

小さな頃から社会の一員として働きたいと思っていたのです。高校卒業後の就職は障がい者施設に決まっていたのですが、研修中に「母親に送り迎えをしてもらわなければいけないような軟弱な障がい者はろくな人生を送れない」とある障がい者の言葉に就職を断念したそうです。

「僕だって働きたい」という気持ちを捨てることはなかったそうです。そんな佐藤さん、同じ病気の幼馴染の「松元拓也」さんを誘い、二人で起業することを思いつき、二人から1文字取って「㈱仙拓」という会社を立ち上げ、そして、自らを『寝たきり社長』と名乗り、ビジネス界で攻勢をかけていきます。

「障がい者は何で自分と闘うのだろうか、障がいはハンデではなく武器であり、その人の個性なのだ」と佐藤さんは言う。

しかし、現実は厳しく働きたくても働く機会がない、働けても賃金が低い。そこで、こうした障がい者が働ける場所を作ろうと、最新のIT技術を駆使して新たな仕事を作りだしたのです。そして今、障がい者だからこそできる仕事=『障がいを武器にした前代未聞のビジネス』に乗り出しています。

企業はしたが、障害者というだけではそう簡単には仕事は来なくて厳しい時期があったようです。「待っていたのでは仕事は取れない、障がい者という言葉に拘って動けずにいたのは自分の方ではないか」と1冊の本を書き、ネットを通して多くの人にアプローチを開始していったのです。

多くの著名人の方々との出会いがあり、その中には安部首相の奥様の昭恵さんとも交流が始まり、多くの方々に支えられてきたようです。仕事も少しずつ入るようになり、障がい者にも簡単に名刺作りが可能な仕組みを作り、働ける場所も作っていっています。

また、新しいビジネスとして悩みを抱える障がい者とカウンセラー資格を持つ障がい者をマッチングする「るくぴあ」を立ち上げ、障がい者の居場所を作ろうとしています。さらにMBA経営学修士を取得するために大学院にも通いだしたとのこと。驚くべき行動力です。

テレビの画面から伝わってくる佐藤さんの思いの強さに圧倒されてしまいました。一人の人間として自分の思いを実現させていくというエネルギーに「観念は生物なり、必ず、肉を支配する」という言葉を思い出し、自分の思い(観念)のエネルギーを高めようと誓いました。

佐藤さんの行動力は健常者である私たちに一石を投じたように感じるのです。自由に好きなところに行ける足があり、好きなものを手にとることができ、何不自由なく過ごしているにも関わらず、行動力ではまったく負けている自分が恥ずかしく思えてきます。

とてもいい刺激を受けました。結果を気にせず、行動あるのみですね。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士