理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄329 日本人の「絆」

2012年03月05日 | Weblog
東日本大震災から1年が近づいてきました。テレビなどでも盛んに特集番組が組まれています。震災直後にテレビで大津波が家や車、人までも呑み込んでいく映像を初めて見たときは大変なことが起きたと、とてもショックでした。

その後には福島原発も津波により大変なことになっているというニュースが流れた時には、日本だけでなく世界中に放射能を撒き散らしたら日本の信用は全くなくなってしまうだろうな。大変なことが起きているようだが、政府からの正確な発表がない中、憶測だけが先行する状態でした。

あれから、もう1年が経過しようとしています。災害が起きた当初は、被災者への募金や不足しているものを多くの方が送り、早い復興を願っていました。多くのボランティアが被災者の応援に入り、支援してきていました。「絆」という言葉も日本全国で聞かれるようになり、必ず早い時期に復興するだろうと思っていました。

しかし、現状は現地に瓦礫の山が積まれたまま、処理されないでそのまま放置されています。処理されたのはわずか5%程度だというのに、「なぜ」というのが正直な感想です。

「絆」といように日本人が一つになり被災地の復興や被災者のために何かしたい、どんな応援ができるだろうかと行動に起こした人も多いはずです。

まずは瓦礫が撤去されなければ復興などできる状況ではありません。全国の地方自治体に瓦礫処理を呼び掛けたところ、多くの自治体が受け入れの立候補をしてくれたのですが、現在、受け入れしている自治体は東京都のみ、やっと秋田県が受け入れを決断したようです。

先日のテレビで神奈川県の黒岩知事が受け入れをしようとしましたが、住民の猛反発にあい、断念したニュースを見ていて、腹立たしくなってしまいました。放射能に汚染された瓦礫を受け入れるのは断じて許さないというのです。

しかし、この瓦礫の放射能濃度を測定しても安全な基準値以下だというものです。福島県の瓦礫は処理の対象にはなっていません。放射能の被爆などの問題にならない瓦礫をなぜ受け入れないのでしょうか。

本当に被災地の復興を願った日本人なのでしょうか、確かに小さなお子さんをお持ちの方は心配でしょうが、反対をする前に心配だったら、放射能についてもっと勉強すべきではないでしょうか。単なる風評に振り回されて、自分本位な判断をされているとしたら「絆」なんていえないでしょう。

もう一人、静岡県島田市の桜井市長は最新鋭のゴミ処理施設と最終処分場の双方があり、受け入れを表明されました。瓦礫の放射能濃度は「島田市の家庭ごみの数値と変わらない」ということでしたが、やはり住民の反対に合っています。

それでも桜井市長は「援助するのは当たり前、政治家として、どんな反対があってもやらなければならない」と強い意志を表明されています。

また、こんなことも言われています。「脳裏には、昨年5月に訪れた被災3県の光景が焼き付いていた。急須でいれた温かい島田のお茶を味わってもらうために訪問したが、見るものすべてが、すごい光景で…。当時は仮設住宅もできていないし、本当になんにもなかった」。

瓦礫を被災地だけで処理した場合には10年以上かかり、瓦礫が片付かなければ復興に手が付けられないと聞かされたそうです。「お茶を振る舞うよりも、直接的な被災地支援になるかもしれないと感じた」と瓦礫処理を受け入れたそうです。桜井市長に応援を送ります。

反対をしている住民の気持ちが私には理解できないでいます。言葉で「絆」「絆」というのはとても簡単でしょうが、反対をするのであればしっかりと放射能の影響があるかどうかを調べて反対すべきでしょう。

私は現地を訪問したことがありませんので、強いことは言えませんが、現地を見た人たちの共通する言葉が、「被災者の皆さんが早く地元に戻り、昔のような生活をして頂くには周りが協力しなければとても無理だ」ということです。

もう一度災害直後を思い出しませんか。あの時は日本中が一つになり、「がんばろう、東北」と被災地の復興を願ったはずです。

個々の人間が瓦礫を撤去することはできませんが、その瓦礫の処理を受け入れようとしている地方自治体に大きな声で賛成の応援を送りましょう。

当然、瓦礫には放射能に汚染されていないものであることが前提です。不安であれば、反対する前に自分で調べてからでも遅くありません。日本人の「絆」を思い出して欲しいものです。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士