世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

タモロ沼⑥

2018-07-11 04:12:36 | 風紋


稲植えの作業が完遂するには、七日かかった。溝を掘るよりも長くかかったのは、みなこんなことをするのは初めてだったからだ。みな、少し戸惑いながら、一生懸命に、稲を植えていった。植えてもまた倒れる稲はたくさんあった。それを何度もやり直さねばならなかった。

それでも何とかやり終えたとき、沼は見たこともない風景になった。新しい浅い沼に、まだ丈の低い若苗が、一定の間隔で並んでいる。こんな奇妙な、そしてきれいな風景は見たこともない。皆の心の中を、静かな感動が流れていた。こんなことを、やったのか。

「この新しい沼に、名前をつけようぜ」
アシメックのそばで、ダヴィルが感動のままに言った。それはいいな、とアシメックが言った。そして、オロソ沼に続く新しい浅い沼に名前がつけられた。

タモロ沼という。文字通り、浅い沼という意味だ。



ジャンル:
小説
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