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北朝鮮と中国は本当に脅威か 1

2015-07-11 09:14:06 | 戦争法案
どこそこでよく語られる題目である。
あーだこーだ申し上げる前に、結論を先に言うなら、これはアメリカおよび日本政府によるプロパガンダである。

かつてナチスドイツは何と言って戦争を始めただろうか。
共産主義を徹底批判し、ユダヤ人を宿敵に仕立て上げ、そうしてドイツ国民を扇動した。
その後、近代においてアメリカは何と言ってベトナム、イラク、アフガニスタンに攻め入っただろうか。今ではそれぞれの口実が捏造だったのがわかっている。
(私は「9.11」もアメリカの自作自演だと思っているが。)

次に、何を以って「脅威」とするかである。
確かにいろいろと物騒ではある。北朝鮮においては核開発に始まり、やれ「ノドン」だ「テポドン」だと世界を騒がせている。中国においては軍事費の拡大、軍備の増強、南シナ海の埋め立てと、材料には事欠かない。

ここで、安倍首相より少しはましなたとえ話をすれば、自分のすぐ傍に「火薬」を詰めた缶があったとする。それこそ「爆弾」でもいい。いや、なかなか危険だ。もう危なくてしょうがない。なにかあったらと思えば怖い。
だが、火薬は火をつけなければ爆発はしない。爆弾は起爆装置がなければ爆発はしないのである。
火薬の傍でタバコを吸おうと思うか否か。爆弾の信管を思い切りハンマーで叩いてやろうと思うか否かということでもある。

もう少し具体的に考えてみる。
まず中国はさておき、北朝鮮は特殊な国家である。即ちことごとくヴェールに包まれていて実態がよくわからない。得体の知れないものは単純に不気味で怖い。
しかし、見える範囲で捉えてみれば、

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)
●国土面積:120,540平方km
●人口:24,554,000人
●GDP(為替レート):262億ドル(2008年)
●GDP(購買力平価説):400億ドル 国民1人あたり 1,700ドル

日本
●国土面積:377,961.73平方km
●人口:126,530,000万人
●GDP(為替レート):4兆8460億ドル(2014年)
●GDP(購買力平価説):4兆8350億ドル 国民1人あたり 38,053ドル



北朝鮮のデータは推定域だとしても、日本との比較でこれだけの国力の差がある。戦争をするには財源、資源、生産力といった「国力」が一番重要だ。仮に何かを仕掛けるとすれば、どうやって立ち向かうつもりなのだろうか。
確かに、日本はもとよりアメリカまでが北朝鮮のミサイルの射程距離内に入っているという。1発撃てば大変な事態になることは明らかだ。もっとも、日本もアメリカも高精度なミサイル迎撃システムは備えていて、問題になるのは確実に日本なりアメリカなりに向けてミサイルが放たれたというその事実だ。
だが、少なくとも核の発射ボタンを押すことが自殺行為であることぐらいは承知なはずである。そもそも今現在、ボタンを押させるに足る理由は何ら見当たらない。

“北朝鮮が核開発を継続する理由には、冷戦崩壊後も朝鮮戦争が「休戦」状態で継続している一方で中華人民共和国との軍事同盟は残るものの、旧ソ連の庇護は受けられなくなる事を背景に、アメリカ合衆国から核抑止力を以って「体制保証」を得る事、いわゆる瀬戸際外交による外交上の交渉カード、海外への技術移転による外貨獲得、国際的および国内的な国威発揚、先軍政治による軍の威光や成果の優先、などが指摘されている。”(Wikipediaより)

つまり、楽観的に見れば、北朝鮮はそれほどの技術力はないとして、単なる「威嚇」と見る向きもある。もちろん決して侮ってはならないことだが、一方で厄介なのは北朝鮮が外貨獲得のため、核技術やミサイルを他国へ輸出していることであり、それが懸念材料ともなっている。特にテロリストに「核」が流出すると深刻な事態となる。

さてその北朝鮮。2013年の1月24日に「アメリカを狙い、高い水準の核実験を実施する」と宣言している。アメリカを『標的』としたことが、いわゆるハッタリなのかどうかはわからない。
そこで、米国防総省は2013年5月2日に「北朝鮮の軍事力に関する報告書(Report on North Korea’s Military and Security Developments)」を議会に提出した。
詳しくはこちら ⇒ブログ「アシナガバチの巣作り日記」

ただ、こうしたアメリカの文書、ご承知のように軍事上の機密という観点から便宜的かつ恣意的なものが多く、数十年後に真実が判るというのも珍しいことではない。
結局、『北朝鮮は脅威だ』としているのはアメリカで、それを殊更に協調し、アメリカ追従の日本政府がそれに乗っかって騒ぎ、執拗に煽っていると見るのが正しいのではないだろうか。
それを以ってアメリカがまた、紛争の火種を故意に求めているということが言えなくはないにせよ、実際には火急の問題としているわけでもなく、自国の軍縮の点からも、仮に肩代わりをさせようと企んでいるとするならそれはまさに日本であり、韓国だということになるのだろう。
従って、日本政府が『北朝鮮が脅威だ』とするのも、アメリカとの同盟を維持するために、更には「戦争法案」を正当化させるための口実に過ぎないと言える。アメリカが故意に何かを仕掛けない限り、具体的な「脅威」とはなり得ない。

ではここで、対北朝鮮有事の可能性を考えてみよう。
例えばの可能性として、北朝鮮と韓国の間で小競り合いが起きた場合である。程度にも拠るが、そこにアメリカが介入し、そのとき「安保法制」が成立していれば日本はほぼ間違いなくそれに巻き込まれることになる。それ以外には考えにくい。
とにかく北朝鮮そのものが云々より、アメリカが北朝鮮をどう取り扱うか、それ次第であって、だからこそ、アメリカ言いなりの「戦争法案」は危険極まりないと言わざるを得ないのである。

・・・つづく




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4 コメント

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Unknown (チャボ)
2015-09-12 21:03:56
突然失礼します。

政府は中国、北朝鮮の脅威を煽り、安保法案の成立をもくろんでいますが、中国という国が国益にならない戦争を仕掛けてくるとは全く考えられないと思うのですが、専門家のお立場から、中国が日本への侵略および攻撃を仕掛けてくるということが、現実的にあり得るのかお聞かせください。(もし戦争ともなれば、自国(中国)の損害は莫大で国の存立にもかかわってくるだろうと考えます。)
チャボさん (Motch)
2015-09-13 00:48:35
ご丁寧なコメント、ありがとうございます。

>専門家のお立場から

いやいや申し訳ないです、私はただ社会問題や時事問題に興味を持って、思ったことを勝手に書いている人間に過ぎないので、日々、不勉強が身に染みている次第です。(^ ^ゞ

>中国という国が国益にならない戦争を仕掛けてくるとは全く考えられないと思うのですが

折角コメントを頂いたことですので、ご満足いただける回答になるかはわかりませんが、これは私の感覚的な考えとしてお返事させていただきます。
結論から言えば、チャボさんが仰るように利益にならない戦争をしようなどとは思わないでしょうね。それにそもそも武力紛争に値するような理由も、それを大儀とするものも中国側にはありません。
よく尖閣諸島が取り上げられますが、いわゆる「領有権問題」は竹島もそうだし、北方領土もそうです。
いずれも話し合いありきなのは相手も承知なはずで、しかし現状、尖閣諸島も竹島も北方領土も、日本政府自体が態度をはっきりとさせないことが原因で、何一つ解決しないまま推移しています。

中国と日本の間には、まず歴史的認識の違いがあります。本来的には対話によりどこに接点を見出すか、どこに互いの妥協点を見出すか、それを以って武力紛争を充分に防ぐことができます。尖閣に関しては、中国はまだ「軍」を投入していません。日本の態度次第ということも言えるのではないでしょうか。

更に言えば、中国は従来からの中国共産党の統治システムに綻びが生じ始めています。つまり、共産主義と資本主義の狭間で揺れ動いているのでしょう。その点で、世界基準に照らして経済的にはまだ発展途上です。まだ国内的な経済バランスがとれていません。今はその過渡期でしょうか。
そうした中、例えば宇宙開発にしろ軍事力にしろ、それは単純に「国力の誇示」としての現われなんだと思います。自国には資源も人の数もあるのですが、実際に戦争を起こすほどの実質的な力は備えてはいないでしょう。虚勢を張っている面があります。

もちろんだから言って侮れないことですし、無茶をしないとも限りませんが、後は感情論でしょうか。
大国主義体質があって、単純にアメリカ側の日本が気に食わない、ということもあるでしょうね。故に威嚇してくるという部分もあると思います。
ただ、中国にとってアメリカも日本も主要貿易国なのでその点は微妙なのではないでしょうか。
いずれ、みすみす軽はずみなことはしないでしょう。また、付け加えるなら、国際的に見て、周囲からはまだ中国に得体の知れないところがある。それも不必要に脅威を感じさせる要因かもしれません。

とにかく、「北風論」より「太陽論」が優るのであって、戦争自体が時代遅れです。ある意味で中国もジレンマを抱えているのでしょうね。

長くなりましたが以上、私の勝手論ですが、ほか様々なブログや記事をご覧になって、チャボさんなりにご判断いただければよろしいのではないかと思います。
Unknown (チャボ)
2015-09-14 10:07:28
お邪魔します。
先だってのご見解のコメント拝読させていただきました。解りやすく説明されていて、納得することしきりで感謝いたします。

 もうひとつお聞きしたいのですが、現在政府が中国の脅威を必死で国民に説明しておりますが、当然中国もこのことを注視してると思います。政府はアメリカとの軍事同盟強化で、抑止力が増すとの見解ですが、もし中国が日本を侵略するなら、今回の安保法案が成立する前に軍事行動を起こすと思うのですが、どうでしょうか?どもその兆候はありません。
やはり政府の策略で、アメリカとの密約による自衛隊の軍事行動を成就させたいがためのハッタリ見解だと思われるのですがどうでしょうか?大した質問でもなくすみません。よろしくお願いします。
チャボさんへ (Motch)
2015-09-14 18:23:12
前コメントが参考になりましたら幸いです。

さて、安保法案に関わる日中関係について。
一枚岩ではない、複雑な問題も絡み、見方により様々な分析があると思います。・・・と最初に逃げておきます。(笑)

これも私見ですが、もし仮に安保法案が成立すれば、単純に中国は態度を硬化させるでしょう。
考えられるのは、まず中国による尖閣諸島への強硬姿勢、そしてこれ見よがしにガス田開発など中国は海洋進出を推し進めるでしょうね。

もとよりアメリカは日本の領土問題には関与しない立場をとっています。こうして尖閣や東シナ海の中国による実行支配が現実味を帯びてくれば、尚更アメリカは「日本の領土ではない」として安全保障条約の範疇には含まれなくなり、従って、日本は更に消極的にならざるを得ないでしょう。「コノヤロー、あんなことしやがって」と騒ぐだけがオチです。
一方、中国はそれ以上のことはしないと思います。まずはそれで様子見というところでしょうか。アメリカはアメリカでずる賢く、中国は中国で目論見があるのです。

つい先頃、日中韓農相会合が行なわれました。
http://www.asahi.com/articles/ASH9F5Q3ZH9FULFA56B.html

また一方で安倍総理は中国訪問を見送っています。
つまり、貿易レベルでは国交を続け、政府レベルでの外交は滞るという不均衡がしばらく続くでしょう。
とにかく、安倍首相が中国を訪問して、「安保法案」についてきっちり説明をしないことには関係はギクシャクしたままになります。
まぁ説明したところでそもそもの理屈がおかしいので、中国に理解されるわけはないのですが、説明をするとしないとでは大違いで、仮にそれが二枚舌、三枚舌であっても、要は姿勢の問題ですよね。
もとより安倍は外交が下手糞なので何をか言わんやですが、それによって次のステップがどうかというところではないでしょうか。

いずれにせよ、まだ緊張状態というでもなく、一触即発ということではありません。安倍政府もその辺は当然見越しているでしょう。
いや、内部では「安保法案」か「外交」か、二律背反する部分でジレンマも抱えていて、でも、安倍の究極の我侭から安保に固執しているんです。

また、中国にすれば、安保法案を逆手にとって自国の都合の良いように主張する部分もあるのだと思います。安保法案はむしろそれを許すことになり、その点から言えば、まだ「駆け引き」の段階なのでしょうが、この先、実際に安保法案が施行され、自衛隊の派兵が現実のものとなれば、中国は大きく態度を変えることも考えられます。
かと言っていきなり有事ということには成り得ませんが、差し当たって国交において障害が生じ、それがどう変化していくかに拠るでしょう。

例えば、中国国内で大規模な反日デモが起き、在留邦人が危険に晒されたり冷遇を受ける(これは即時起こりそう)、貿易交渉が次々に決裂していく、中国人の日本への渡航制限など・・・。案外中国はアメリカやEUとのパイプを強めるかもしれませんね。
結果、日本政府はとんだ道化を演じることになるのかもしれません。そう思えば尚更国民はいい迷惑で、それ故、安倍のやることは無茶苦茶だということです。

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