最近盛んに語っているのが、芳醇さを旨とする無濾過生原酒に市場が席巻された結果、それらの小洒落た酒に食傷気味となりつつある現実です。その結果としてもたらされたのは、古くから呑まれてきた酒への回帰でした。
居酒屋を選ぶとき、古い店をまず探すという先人の教えがあります。長年商売を続けてこられたのには相応の理由があり、古い店を選んでおけば間違いないというのがその趣旨でしょう。同様の理が酒についても当てはまるとするならば、古くから呑まれてきた酒には相応の価値があるということになります。時勢を後追いしていても古い酒になることはできません。流行り廃りがある中、それでも残ったものこそ本物といえるのではないでしょうか。
かような観点から再評価されて然るべきと思うのが「越乃寒梅」です。淡麗辛口の代名詞といえば、最も多くの人々が連想するのはこれでしょう。一世を風靡したのも今は昔、賛否両論評価の分かれる酒ではありますが、地酒の草分けとして君臨してきた功績には敬意を表しなければなりません。華々しい香り、芳醇な味わいとは無縁ながらも、贅肉を削ぎ落として磨き抜かれた、質実剛健と形容したくなる完成度の高さがこの酒にはあります。
★越乃寒梅 別撰
石本酒造(新潟県新潟市)
精米歩合 55%
アルコール分 16度
居酒屋を選ぶとき、古い店をまず探すという先人の教えがあります。長年商売を続けてこられたのには相応の理由があり、古い店を選んでおけば間違いないというのがその趣旨でしょう。同様の理が酒についても当てはまるとするならば、古くから呑まれてきた酒には相応の価値があるということになります。時勢を後追いしていても古い酒になることはできません。流行り廃りがある中、それでも残ったものこそ本物といえるのではないでしょうか。
かような観点から再評価されて然るべきと思うのが「越乃寒梅」です。淡麗辛口の代名詞といえば、最も多くの人々が連想するのはこれでしょう。一世を風靡したのも今は昔、賛否両論評価の分かれる酒ではありますが、地酒の草分けとして君臨してきた功績には敬意を表しなければなりません。華々しい香り、芳醇な味わいとは無縁ながらも、贅肉を削ぎ落として磨き抜かれた、質実剛健と形容したくなる完成度の高さがこの酒にはあります。
★越乃寒梅 別撰
石本酒造(新潟県新潟市)
精米歩合 55%
アルコール分 16度