五日間の旅にも仕舞いの時が近づいてきました。最後を飾る奈良の街で訪ねるのはもちろん「酒処 蔵」です。
蔵造りの建物は、奈良の街にあってはそう珍しくはないものの、木綿の暖簾をくぐって中へ入れば、まず刮目させられるのは、文化財クラスといってもよい古典酒場の設えです。幅の狭いU字型のカウンターが手前に向かって延び、正面の壁には屋号を記した扁額が、入口の頭上には大日本麦酒時代のアサヒビールの扁額が掲げられ、飴色をした壁天井の板が、笠をかぶった裸電球に鈍く照らされています。カウンターの角ではおでん舟が湯気を立て、正面の壁には日めくりカレンダーと短冊の品書きが掲げられて、その上の鴨居には招き猫が。傍らに置かれたラジオから、誰に聞かせるわけでもなく流れてくるAM放送が、古びた酒場の雰囲気をなおさら引き立てているようです。
もちろん、ただ古いだけの酒場ではありません。肴は文字にすればどこにでもあるような品々ながら、古い酒場にはその方がおあつらえ向きです。むしろ、ふかふかの油揚げを手でちぎって出すなど、素性のよさはさりげないところに表れています。つかず離れず、それでいながら気配りの行き届いた接客も気持ちよく、わざわざ奈良まで足を運ぶに値する、聖地というべき名店です。
大阪から数えて三軒目だけに、名物の肝焼きをいただけなかったのが唯一残念でした。次の機会は腹具合まで万全にしてから臨みたいものです。
★蔵
奈良市光明院町16
0742-22-8771
平日 1700PM-2230PM(LO)
日祝日 1700PM-2130PM(LO)
木曜定休
貴仙寿・白滴
おでん二品
にこごり
油揚げの焼いたん
氷頭なます
蔵造りの建物は、奈良の街にあってはそう珍しくはないものの、木綿の暖簾をくぐって中へ入れば、まず刮目させられるのは、文化財クラスといってもよい古典酒場の設えです。幅の狭いU字型のカウンターが手前に向かって延び、正面の壁には屋号を記した扁額が、入口の頭上には大日本麦酒時代のアサヒビールの扁額が掲げられ、飴色をした壁天井の板が、笠をかぶった裸電球に鈍く照らされています。カウンターの角ではおでん舟が湯気を立て、正面の壁には日めくりカレンダーと短冊の品書きが掲げられて、その上の鴨居には招き猫が。傍らに置かれたラジオから、誰に聞かせるわけでもなく流れてくるAM放送が、古びた酒場の雰囲気をなおさら引き立てているようです。
もちろん、ただ古いだけの酒場ではありません。肴は文字にすればどこにでもあるような品々ながら、古い酒場にはその方がおあつらえ向きです。むしろ、ふかふかの油揚げを手でちぎって出すなど、素性のよさはさりげないところに表れています。つかず離れず、それでいながら気配りの行き届いた接客も気持ちよく、わざわざ奈良まで足を運ぶに値する、聖地というべき名店です。
大阪から数えて三軒目だけに、名物の肝焼きをいただけなかったのが唯一残念でした。次の機会は腹具合まで万全にしてから臨みたいものです。
★蔵
奈良市光明院町16
0742-22-8771
平日 1700PM-2230PM(LO)
日祝日 1700PM-2130PM(LO)
木曜定休
貴仙寿・白滴
おでん二品
にこごり
油揚げの焼いたん
氷頭なます
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