今年もこの聖地に戻ってこられたことを喜ばしく思います。二軒目は大阪の居酒屋の真打ち、阿倍野の「明治屋」を訪ねます。
静かに盃を傾ける一人客はもちろん、二人組の客でさえ小声で話すかのような雰囲気は、関西の大衆酒場の正統ながら、旧店舗の造作を寸分違わず再現したこの酒場では、なおさら静謐さが際立ってくるようです。気のきいた地酒が経木にいくつ書かれていても、ここで呑む酒は一番安い「御酒」と決まっています。注文を受けるやいなや、カウンター中央背面の四斗樽の木栓をひねって年季の入った枡に注ぎ、そこから銅製の燗付け器の漏斗に移せば、程よい具合に燗された酒が小さな蛇口から出てくるという仕掛けで、一連の所作と、酒を満たした薄手のガラスの徳利だけでも肴になるのです。酒樽の上の小棚に飾られた生け花と木彫りの牛、その左上にまつられた神棚、客の肘で数十年来磨かれ角の取れたカウンターなど、全てのものが居心地をよくします。
思うに、たらふく食っても、軽く一杯引っかけてもよい大衆酒場がある一方で、この酒場に盛大な飲み食いは適しません。二合ばかりの酒と、それに見合った何品かの肴をいただき、それが終われば飛ぶ鳥跡を濁さずの境地で立ち去る、そんな呑み方がこの店には最もふさわしいと思います。この居心地にもう少し浸っていたいと思いながらも、それは次回の宿題にして、小一時間ほどの滞在で席を立ちます。
★明治屋
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
06-6641-5280
1300PM-2200PM(日曜定休)
御酒二合
おでん
野菜たき合わせ
だしまき
静かに盃を傾ける一人客はもちろん、二人組の客でさえ小声で話すかのような雰囲気は、関西の大衆酒場の正統ながら、旧店舗の造作を寸分違わず再現したこの酒場では、なおさら静謐さが際立ってくるようです。気のきいた地酒が経木にいくつ書かれていても、ここで呑む酒は一番安い「御酒」と決まっています。注文を受けるやいなや、カウンター中央背面の四斗樽の木栓をひねって年季の入った枡に注ぎ、そこから銅製の燗付け器の漏斗に移せば、程よい具合に燗された酒が小さな蛇口から出てくるという仕掛けで、一連の所作と、酒を満たした薄手のガラスの徳利だけでも肴になるのです。酒樽の上の小棚に飾られた生け花と木彫りの牛、その左上にまつられた神棚、客の肘で数十年来磨かれ角の取れたカウンターなど、全てのものが居心地をよくします。
思うに、たらふく食っても、軽く一杯引っかけてもよい大衆酒場がある一方で、この酒場に盛大な飲み食いは適しません。二合ばかりの酒と、それに見合った何品かの肴をいただき、それが終われば飛ぶ鳥跡を濁さずの境地で立ち去る、そんな呑み方がこの店には最もふさわしいと思います。この居心地にもう少し浸っていたいと思いながらも、それは次回の宿題にして、小一時間ほどの滞在で席を立ちます。
★明治屋
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
06-6641-5280
1300PM-2200PM(日曜定休)
御酒二合
おでん
野菜たき合わせ
だしまき
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