日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2019続編 - 晩酌

2019-10-15 21:27:37 | 晩酌
浜佐呂間に泊まろうと決めたのは、卯原内で日が暮れた時点です。網走の街まで出れば、あらゆる肴が揃ったでしょう。しかし、常々申している通り、刺身以外の肴はセイコーマートで揃います。刺身だけのために往復するのも面倒です。取り急ぎ調べたところ、常呂の町にもスーパーがあると分かったため、目ぼしいものがあれば買い、そうでなければセイコーマートという方針を立てました。幸い常呂産の帆立があったため即決し、あとはセイコーマートで調達するという結果です。
品数は十分あるにもかかわらず、愛用してきた惣菜は何故かほとんどなかったため、初見の品中心の組み立てとなりました。今夜もサッポロクラシックとともにいただきます。

サッポロクラシック
常呂産ほたて貝柱
中札内産卵のふんわり玉子焼き
子和えこんにゃく
ほくほくかぼちゃのサラダ
寄せとうふ
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 旅人宿

2019-10-15 21:13:04 | 北海道
浜佐呂間に戻ってきた時点で、賢明な読者の方はお察しだったかもしれません。今夜は件の旅人宿に泊まります。
日が暮れた時点で釧路へ行く気力が起きず、手近なところでの投宿に転換したのは既報の通りです。どこに投宿するかについては四つの選択肢がありました。一つは呼人浦のキャンプ場ですが、翌朝の最低気温が0度という予報につきあっさり断念。そうなると次なる選択肢は網走か北見での宿泊ですが、居酒屋の心当たりもない中で、是非と思うほどの決め手には欠けました。そこで俄に浮上したのが浜佐呂間の旅人宿です。網走、北見に泊まるより、浜佐呂間に泊まる機会の方がはるかに貴重なのは間違いありません。泊まってみるなら今しかないと思い至り、卯原内から一報入れるという顛末です。
天塩弥生駅では夕方に飛び込んだにもかかわらず夕食にありつけるという僥倖に恵まれましたが、当然ながらそのような虫のよい話は二度までありません。朝食のみでお願いし、晩酌の肴については途中で調達してきました。今から食堂でいただきます。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 去年との違い

2019-10-15 20:42:47 | 北海道
常呂市街を出た直後に出発からの走行距離が1000kmを超え、それに卯原内への往復と浜佐呂間までの移動が加わりました。〆て1060km走ったところで投宿です。
本日の走行距離も120kmにとどまりました。例年の八割程度という少なめの走行が続きます。しかし、道中の半ばに至り、単なる偶然ではないことに気付いてきました。去年との違いとして、日没が早まったのに加え、日が暮れてからの走行を抑えていることが挙げられます。去年は道央から道東、道東から道北、道央から道南の三度にわたって長距離移動し、それぞれ300km以上を走りました。いずれについても、走行距離の大半は日没後に稼いだものです。それに対して今回は、初日を除き日没後の大移動をしていません。
今のところ、夜間に凍結、積雪する心配は要りません。しかしここまで寒くなると、日没後は俄に心細くなり、早く投宿して暖まりたくなるとでも申しましょうか。暖かかった初日こそ、小樽から旭川まで走ったものの、この先の予報を見る限り、あれと同じ陽気になりそうな気配はありません。釧路から旭川まで一日で走り切るのはおそらく無理でしょう。曜日の巡りと天候を考えても、釧路は一泊限りにするしかなさそうです。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 月夜

2019-10-15 19:36:03 | 北海道
日が暮れても先へ進めばよいものを、昨日に続いて逆方向へ走ります。40kmほど引き返し、キムアネップ岬を再訪しました。
目当ては月です。満月だった昨夜は雨に降られたものの、今日の空には雲一つありません。朝日と夕日の名所なら、月もさぞかし絵になるだろうと見込んだのでした。こうして月を横目に見つつ半島を周回していき、先端にあるキャンプ場にたどり着きました。月が浮かんだ方角を目指し、奥方向に長いサイトを一番奥の方まで進み、さらにそこから遊歩道を歩いていくと、凪いだ水面が月明かりに照らされていたという顛末です。
しばし鑑賞していて思い出したのは、三保半島の先端から眺める清水港でした。逆S字を描く浜辺が左上から右下へ斜めに延び、直線状の対岸がやや緩い角度で斜めに続き、鏡のように凪いだ水面に空が映るという全景がよく似ているのです。ただし、あちらでは正面に散らばる街の灯りが一切なく、左の奥に常呂の街と思しき明かりが瞬き、右の奥に小さな漁港の明かりが灯るにすぎません。
漆黒の世界を月が照らす光景だけに、華やかな夜景と違って、写真に撮ってもこの趣を再現できないかもしれません。瞼に焼き付けたい月夜です。そう思うと去りがたく、ひとしきり撮った後もその場に佇んでしまいました。秋の虫の声は途絶え、漁港の方から鴎の声がする以外は物音一つ聞こえません。風もなく、凛とした空気の中で月だけが煌々と輝きます。後に振り返っても道中で一、二を争うだろう名場面が訪れました。釧路を見送ってまで引き返した甲斐はあったと言い切りましょう。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 妥協案

2019-10-15 16:58:09 | 北海道
去年は予定していた日程を順調に消化し、全く予定になかった函館にまで足を延ばしました。しかし今年は一転難航しています。本日も網走にすら着かないまま日が暮れてしまいました。結論から申しますと、今日中に釧路へ行くのは諦めます。
現在地から出発すると、150km以上200km未満という見当です。つまり、ひたすら走れば三、四時間の距離であり、今から出ればあちらで一献傾けるには十分です。今日については雪に降られる心配もありません。しかし、暗い中を延々走ってまで行きたいかと考えたとき、釧路を一泊限りにとどめ、その代わりに手近なところで投宿する妥協案が浮上してきた次第です。
時間の読みが甘い点については認めます。しかし、それだけが原因というわけでもありません。とにかく日の入りが早いのです。札幌を基準にすると、本日の日の入りは16時53分となっており、月初との比較で24分も早まりました。しかも、実際には日の入りとされる時刻の30分前に日が陰っているという実態があります。何度か経験してきた10月の上旬に比べ、日の入りをやたらに早く感じるのも気のせいではなかったということです。
もっとも、日の短さと引き換えにして、晩秋らしさをありありと体感しているわけであり、かような観点からは所期の成果を達成しているともいえます。今回の道中に限っていえば、あれもこれもと欲張らず、深まる秋を感じることに重きをおくべきなのかもしれません。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 網走市鉄道記念館

2019-10-15 16:40:43 | 北海道
そのようなわけで記念館を見学してきました。車両はやや荒れ気味でしたが、記念館はささやかながらもよい展示でした。壁一面に駅名標と行先標を始めとする標識類を掲げ、ガラスケースに営業、運転、保線関係の用品と乗車券類を収めるというのがおおよその内容です。湧網線の歴史を振り返り、その功績を讃える記念館というよりも、鉄道関係の資料館、展示室然とした内容は、道内に数ある同種の施設の中でも異彩を放ちます。
これだけの展示物がよい状態を保っているのは、併設の喫茶店に申し出て、鍵を開けてもらう仕組みになっており、無用な出入りがないからでしょう。計呂地駅と同様、個人の善意によるところが大だということです。ささやかな感謝のしるしと記念を兼ね、網走駅の入場券をいただいて辞去しました。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 卯原内駅

2019-10-15 15:56:06 | 北海道
湧網線の沿線をたどってきて再認識したのは、市街地を除き線路の跡地が二極化しているということです。海沿いを行く風光明媚な区間は自転車道に転用され、内陸を行く区間は畑に呑み込まれるという違いで、常呂から先の区間は前者に属します。知床連山を遠望しつつ能取湖を左回りに周回し、六時の位置まで下りてきました。続いて訪ねるのは卯原内駅です。
交通公園となって車両が保存されているのは計呂地、佐呂間の両駅と同様ですが、こちらの車両はやや荒れています。塗装は褪せ、機関車の前照灯のレンズと窓ガラスも失われてしまいました。しかし、初めて訪ねたレンタカー時代に比べ、さらに荒廃した様子もありません。最低限の手入れはされているようです。
西側に高台がある関係で、着いたときにはで機関車も客車も半分ほどが日陰でした。しかし、その条件がなかったところで、四時半を待たずに日が暮れてしまうのが分かってきました。これ以上先を急いでも仕方がありません。併設の記念館がまだ開いているため、そちらも見学していきます。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 常呂駅

2019-10-15 14:40:35 | 北海道
浜佐呂間で一瞬湖畔に出た後、内陸を延々走ってきた湧網線が、再び海沿いに出るのは常呂からです。北見からの道道が突き当たった場所にかつての駅がありました。
構内と前後の線路は道路に転用されており、駅舎の代わりに代替バスの発着所が鎮座します。その建物は、叩けば鳴る安物の建材を貼り付けた、明らかに最近建てられたと思しき代物です。しかし、待合室には現役末期の記録と思しきカラー写真の額が飾られ、ここに駅があったことをさりげなく物語っています。裏手には長い砂浜が広がっており、オホーツクの大海原を一望できるという仕掛けです。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 最後の遺構

2019-10-15 14:09:36 | 北海道
道道の一本西側を並行する基線道路を北上すると、畑の中にぽつんと残るコンクリート橋が現れます。中湧別側には築堤が部分的に残る一方、網走方に何もないという状況は、仁倉の小橋梁と同様です。常呂から先の跡地は自転車道に転用されているため、構造物としてはこれが最後の遺構らしい遺構となります。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 北見共立駅

2019-10-15 13:51:33 | 北海道
北見からの道道に合流し、少し走ったところにあるのが北見共立駅です。かつての構内はいまだに更地となっているものの、農業倉庫で駅の跡地と特定できます。道道に面した場所には自転車置き場も。名寄本線の富丘仮乗降場と同様の遺構です。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 忽然

2019-10-15 13:37:53 | 北海道
海沿いの風光明媚な路線という先入観とは裏腹に、計呂地からは内陸ばかり走っています。観光ではなく開拓が目的だったことからすれば、このようなことになるのも当たり前ではありますが。農道を右左折しながら進んでいくと、畑の中にコンクリート橋が忽然と現れました。
忽然と評するのは、前後に続いていたはずの築堤が跡形もなく姿を消し、畑に呑み込まれているからです。橋梁の向きからして、格子状に区切られた畑を斜めに横切る区間だったのでしょう。公道からは遠巻きに眺めることしかできないものの、広い甜菜畑の奥にコンクリート橋がぽつんと佇み、その奥にはカマボコ型の農業倉庫とサイロが並んで、上空には雲がいくつか漂います。この雲がなければ平板な眺めになっているところでした。絵になるものを切り取れたのは幸いです。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 甜菜畑

2019-10-15 12:57:58 | 北海道
去年に比べ二週遅れの渡道となりましたが、季節感の違いは歴然としています。寒さについてはもちろんのこと、木々は次第に色づいて、田畑の収穫もほぼ終わっています。しかし、浜佐呂間から再び内陸へ入っていくと、なだらかな丘に甜菜畑が広がりました。交通量皆無の農道から見渡せば、彼方にはサロマ湖も広がるよい眺めです。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - はまほろ

2019-10-15 12:19:18 | B級グルメ
浜佐呂間を出て次へ行こうとしたところ、農業倉庫の隣に「サロマのそば」と壁に描かれた建物が。ツーリングマップル推奨の「はまほろ」でした。常々申している通り、そばには頓着がありません。このまま常呂まで走り、かつての駅前食堂にでも行ってみたいのが本音です。しかし、そのようにして引き延ばした結果、お昼を逃すという経験を何度も何度もしてきました。新そばの季節もあと少し、むざむざ見過ごす手もありません。サロマ湖海苔の触れ込みにつられ、花巻そばをいただきました。本日は新そばの時期にちなんだ100円引です。

はまほろ
常呂郡佐呂間町字浜佐呂間288-10
01587-6-2840
1100AM-1400PM
日曜定休
花巻そば800円
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 浜佐呂間駅

2019-10-15 11:35:50 | 北海道
道道が国道に合流する交差点のすぐ近くに農業倉庫が建っています。これが浜佐呂間駅の跡なのは明らかです。どこを線路が通っていたかは判然としないものの、かつての構内には芝生の広場を中心に会館と保育所が建っており、保育所の壁には汽車の絵が描かれて、ここに駅があったことを察知できるという仕掛けです。今日だけに限ってみても、車両、駅舎、橋梁に橋台と、一目見てそれと分かる遺構を訪ねてきましたが、このようなさりげない演出もよいものです。
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晩秋の大地を行く 2019続編 - 橋台

2019-10-15 11:18:39 | 北海道
佐呂間からの道道を走りきり、浜佐呂間で国道238号線に合流する直前、先達の情報通りに橋台が現れました。こちらも順光、しかも間近で正面から観察できるという好条件です。これは、小川の対岸にあった橋台が跡形もなく撤去されたということでもあります。橋台はもちろん、その後に続いていたであろう線路の跡も分かりません。
それ以上に意表を突かれたのは、橋台の上に立っている小屋が廃屋同然に朽ちていることです。廃止後にできた以上、長くとも築三十年そこそこでしょう。それがここまで朽ちてしまうという事実が、北海道の自然の厳しさを物語ります。
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