本日の晩酌 -辨天娘-

一昨年は九州、昨年は北海道で迎えた「日本酒の日」を、今季は三年ぶりに清酒文化圏で迎えることになりました。節目の日に取り上げるのは「日置桜」と並ぶ鳥取の燗酒の名品「辨天娘」です。
よい酒はぬる燗、安酒は熱燗という素人考えの意表を突き、50度の上燗、60度の熱燗を推奨してくるのがこの蔵の特徴で、+9という高い日本酒度も、高めの温度で呑むことを前提にした設計と聞いたことがあります。もちろん、ただ高温にすればよいというものではありません。熱湯で瞬時に付けた燗と、適温の湯で時間をかけて燗した酒では当然ながら味わいも違ってきます。鍋を火にかけ、温まったところで火を落としてからちろり沈め、指先で燗具合を計りつつ温めれば、この蔵らしい切れ味鋭い燗酒に仕上がるという寸法です。

ちなみに、今日は東海道新幹線開業50年の記念日でもあります。先人の労苦に敬意を表し、乾杯…

★辨天娘 純米酒
太田酒造場(鳥取県若桜町)
原料米 若桜町産強力
精米歩合 70%
日本酒度 +9
アルコール分 15度以上16度未満
酒米生産者 中島敬之
鳥取県鳥取市 谷本酒店にて購入