日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

破れ長屋で今年も暮れた 2013

2013-11-26 22:55:13 | 旅日記
「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書」の提出時期が今年もやってきました。もちろん名前と住所以外記載すべきことは何一つなく、朝方受け取った用紙をその日の午前中に提出して、年末調整はあっさり終了です。

blog開設以来、年の瀬を迎えるのもこれで六度目です。その都度まっさらな申告書を提出しては、家庭も財産も持たない我が身の貧しさを自嘲気味に語ってきました。しかし、改めて年ごとの記録を読み返すと、その心境も少しずつ変化していることに気付きます。開設当初は、学歴以外まっさらなニート時代の履歴書を思い返して、内心忸怩たる思いがあったものです。それが二年三年経つうちに、当初感じていた敗北感は消え失せ、しがない旅鴉にはお似合いだと達観できるようになりました。今年にいたっては、白紙同然の申告書を、鼻で笑いながら堂々と突き返したのですから、ある意味不惑にふさわしいふてぶてしさです。そして、このような心境の変化は、幸福とは何かということが自身の中ではっきりしたということでもあります。
不惑の節目に語った通り、自分にとっての生き甲斐とは自由で気楽な一人旅、一人酒であり、そのために必要なのは身軽さと必要最小限の金です。かような価値観からすれば、家庭と財産を守り抜くという生き方は本質的に相容れません。名前と住所だけの申告書こそ身軽さの証であって、自身にとってはこの上ない幸福なのです。
もちろん、世間の価値観からすれば、このような人間は落伍者以外の何物でもないのでしょう。身軽さばかり追い求めては、やがて悲惨な老後を迎えることになるのかもしれません。しかし、どんなに無残な最期を迎えようとも、足腰の立つ限り全国津々浦々に足を運び、その土地の文化と風土に触れ、人々の気質を理解し、四季の移り変わりを感じ取りたいというのであれば、それこそが生き甲斐というものでしょう。その生き甲斐と引き換えにするだけの価値が、家庭や財産といった世間的な「幸福」にあるとは私は思いません。

このような結論に到達した以上、来年も再来年もまっさらな申告書を提出し続けるのはまず間違いないでしょう。そうだとすれば改めて記すべきこともなく、年の瀬の定番ネタも今年限りとするのがよさそうです。ただし、初夏の定番である高校野球ネタのように、さすがにネタ切れだろうと思いきや、年を追えば追うほど構想がふくらみ、いずれblogにはまとめきれなくなるという可能性はなきにしもあらずです。果たしてどちらに転ぶでしょうか。一年後をお楽しみに…
コメント