日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

さらばMapion その後

2010-03-02 23:33:19 | 旅日記
Mapionとの訣別を宣言してから早半年、今ではすっかりYahoo!地図にも慣れてMapionを眺めることもほぼなくなりましたが、半年間で多少のアップデートがあったようなのでこのblogに記録しておきたいと思います。結論としては、「改善の跡はうかがわれるものの、依然としてYahoo!に太刀打ちできていない」ということですorz

国道が一律に同じ幅で描かれ道の険しさが全く分からなくなったという重大な欠陥については、ある程度改善がみられます。以前引き合いに出した国道308号の暗峠など、S級A級の酷道については、15万分の1などのある程度の縮尺でも明らかに細く険しい道として描き分けられており、通行に堪えうる道かどうかが比較的容易に判別できるようになりました。また、広域図では完全に省略されていた鉄道路線なども表示されるようになり、高速自動車国道>1桁国道>その他の国道>主要地方道>一般県道という杓子定規な表示の優先度にも改善の跡がうかがわれます。しかし、残念ながら、いずれについてもYahoo!のレベルには遠く及ばないというのが現状です。

まず、道幅の描き方については、Yahoo!に比べてディティールが雑で切迫感が伝わりにくいという欠点があります。同じ酷道を描いても、Mapionの方が一回り広い道であるかのように描かれ、特に7万5千分の1以下の縮尺では、道幅が微妙に広くなったり狭くなったりする様子が判然としなくなります。これに対しYahoo!では、さらに2ランク小さい縮尺になっても、道の細さが断続的に変化する様子を判別することができるので、ディティールの点ではYahoo!のレベルまで二歩も三歩も隔たりがあるということになります。
それでは、縮尺に応じて表示される道路や鉄道路線が杓子定規に変わるという欠点についてはどうなったのでしょうか。縮尺ごとに比較すると、まず30万分の1の縮尺では、どちらも主要地方道までが描かれ、一般県道は表示されなくなるという点で差がありません。しかし、90万分の1以下の縮尺になると差が出てきます。Mapionでは2桁国道と高速自動車国道と鉄道のみが表示され、有料道路やローカル国道は切り捨てられてしまいます。しかもその基準というのが杓子定規で、伊勢湾岸道の自動車専用道路扱いの区間など、高速自動車国道と事実上一体化している区間についても一律に切り捨てられます。その結果、名古屋港を境に路線が分断されているかのように見えるという、文字通り「間抜け」な表示になります。このあたりの問題点はYahoo!では当然のごとくクリアされており、しかも国道は全て表示されます。それより一回り小さい広域図になると、Mapionでは情報量の変化はありませんが、Yahoo!ではローカル国道が削られます。といっても2桁国道だけを残すといった杓子定規な区分はなされず、3桁国道であっても陰陽連絡などの地域間を結ぶ骨格となる道は表示されており、この点においても、Mapionの二歩も三歩も先を行く周到な配慮が注がれていることが読み取れます。
さらに、これまでに指摘していなかった明確な違いが一つあります。地図の立体感が違うのです。Mapionでは道幅と同様の等高線を表示した上で一定以上の標高を色分けするという手法をとりますが、その等高線というのが道幅と同様にディティールが粗く、特に90万分の1以上の縮尺ではきわめて平面的に見えてしまいます。これに対し、Yahoo!では標高を表示して色分けするのではなく、おそらく航空写真から取り込んだと思われる山影を重ね合わせることで、地図を立体的に表現するという手法をとります。その結果、Mapionではただの平面にしか見えない広域図でも、Yahoo!ならば山の起伏までとらえることができるという違いが生まれます。

以上要するに、現状では表示の緻密さ、情報量、立体感などあらゆる面において、Yahoo!がMapionを二段階か三段階上回っているというのが結論になります。十年来世話になったMapionをここまで酷評しなければならないとは何とも悲しい現実ですが、歴然とした差がついてしまったのは事実なのですから仕方がありません。もっとも、Googleマップに追従して方向性を見失ったかに見えたMapionにもわずかながら改善の兆しが見えたというのはせめてもの救いです。厳しい発言が愛着の裏返しというのは、このblogにおいてはよくあることです。元ユーザーの一人として、捲土重来を影ながら期待したいと思います。現状のままでは迷うことなくYahoo!を選びますが、それはまあそれとして…
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