東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

サイパン・グアム陥落、東条英機再説

2008-05-03 17:26:15 | 社会・経済

昭和19年7月、サイパン、グアムの日本軍が玉砕すると、日本の敗戦は決定的となった。なぜなら米軍がサイパン、グアム、テニアン諸島に建設する長大な滑走路を持った基地から米軍の長距離爆撃機B29が日本本土まで無着陸で往復し、大規模な空襲を行うことが出来るようになるからである。

当然、東条の戦争指導の責任論が出て、辞任を要求する声が高まった。この期に及んでも東条は辞任に抵抗したので暗殺計画まで持ち上がった。作家の里見とんや華族の子弟グループが東条英機の暗殺を計画したのもこのときである。

いろいろ手練手管を使って居座りを図った東条もついに辞任に追い込まれた。この時点で自裁していれば、まだ名誉が保てたかもしれない。彼は国民に中世的な軍律を求めた張本人として自分の行動に整合性が保てた。しかし、かれはその後の政権にも小姑のようなちょっかいを出して、いたずらに生をぬすでいたのである。

天皇陛下は大元帥と呼ばれた(らしい)。大元帥とはなにか。戦争の指揮を執らせた将軍がその責を果たせない場合には、大元帥は臣下の将軍を問答無用で切り捨てるものと考えられている。これが古代チャイナ流の大元帥である。

無慮千数百年に及ぶ宮廷のみやびな伝統は、明治維新で天皇親政、王政復古を叫び、天皇を大元帥に擬したものの、それが機能することを妨げたようである。

統帥権を干犯したのは大正デモクラシーに汚染され共産主義思想にかぶれた青年将校であり、それを利用した波乗り上手の高級軍事官僚であったのだ。天皇は統帥権を一度も掌握していなかったと断言できる。

最後にもう一度断っておくが、以上はすべて日本国民に対する罪を論じている。外国がとやかく言うことは峻拒すべきである。講和条約、平和条約ですべてカタがついている。その上にアメリカは日本を徹底的に破壊することにより報復を過剰に果たしている。チャイナはアメリカや連合軍に日本の徹底的破壊を慫慂しており、日本の無残な敗戦に歓喜の声をあげ、その願望を満たしてもらっている。この上、なにをいうのか。

忠臣蔵では吉良上野介を討ち果たしたことで本懐をはたしているのだ。赤穂浪士がいつまでも執念深く吉良上野介ゆかりの人物をつけまわしているかね。総会屋みたいにいつまでも因縁をつけるな。