538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

キャタピラー

2011-04-16 22:24:07 | 邦画
若松孝二監督作品2010年度の映画
主役の寺島しのぶさんがベルリンで主演女優賞受賞とともに
世間様では芋虫状態の軍神さまと交合するシーンが
独り歩きして、映画の宣伝になっていたような

いかにも低予算で作ったという映画でしたねぇ
戦争シーンが描けないので
実写フィルム使うのは仕方ないにしても
主人公の戦争体験は

満州(って特典映像のインタビューで若松監督自身がこう言ってる)での
現地女性へのレイプのシーンしか
軍神さまのトラウマのように何回かこのシーンが
インサートされるので、傷痍の原因ってこのレイプだった
というオチじゃないかと思ってしまいましたけど

手足や言葉、耳を失っても
寝る、食う、やる
という人間の業の深さを描きたかったんじゃないのかなぁ
エロ目的で映画を製作していたら
何回かあるSexシーンはあんな引きの絵で撮らないでしょう

ピンク映画の巨匠ですから
もっとねちっこい表現描写にするはずですよね
寺島しのぶさんだってエロい演技にもってける人ですし

監督があえてエロに固執しなかったことが
かえって映画の評価をあげたようですねぇ
そして反戦へのメッセージが薬味のように
映画をひきたたせたようです

芋虫軍神さまを演じた大西信満さんは
両手両足にグリーンかぶせての演技かと思っていましたが
メイキングでは足だけグリーンで
両手はがっちり縛られていたんですねぇ

それにしてもカメラ2台での同時撮影で
編集時に切り返し作業をするんですねぇ
予算が潤沢だとカメラが3台、4台ということか・・・
スクリプターさんもいらない時代になってきたんですね。