Verdure 4F

茶道25年、ブログ19年! 家業を継いで13年。息子は10才。子育て、茶道、季節行事、料理、日記、読書の記録など。

「北京故宮博物院200選」展

2012年01月15日 | art
「北京故宮博物院200選」展に行ってきました。
が。
行列~~~

入館に50分並んで、入館後、「清明上河図」を目近に見るために210分並ぶんですって

「神品」というから見たいと思ったけれど。。。
それで、それだけ立って並んで待って、どのくらい見せてもらえるのでしょう、座って、1時間とか、じっくり見れるなら、並ぶんですけどね~。
210分って、3時間半ですよ?


とにかく入館待ちに並びながら、「清明上河図」の由来と絵の内容や北宗の時代背景と開封の話、舟の構造や建築、造園、貨幣経済、飲食店の発展などがうかがわれるそうだなどと、予習して勉強した話をしていたら、後ろに並んでいた方が、あとで「お詳しいんですねぇ」と言ってくださったとか。
しかしそんな予備知識もなしで、3時間半も待って、見て、「へぇーっ」って?

とにかく入館して、「清明上河図」のパネルと映像説明と、1mほど後ろから伸び上がって上1/3くらいを覗き、他の展示を見て、まぁいいことにして、210分には並ばずに出てきてしまいました。

だって、並んでいた方たちも、確かに絵のケースの前に立って見れるものの「立ち止まらないで移動しながらご覧ください」とか言われているのを見てしまったのですものね~。


徽宗帝の書とか乾隆帝の書とか肖像画とか・・・ 特に乾隆帝に関してはさすがに書画が豊富で、西洋の画法と混合した作品や、なるほどと思いながら見ました。
それに、漢語とモンゴル語とウィグル語と、それぞれの発音と・・・ 言葉の違う民族を広く統治する制度がきちんとできていたことも覗われます。

が、特に青銅器や陶磁器は、どうも。。。
「一級文物」と書かれたものがずらりと並んで豪華そうですが、実際ものを見ていると、もしかして「特級文物」というものがあって、それは貸し出さなかったという意味かしらと思ってしまったり。

殷代の青銅器は、根津美術館のコレクションや東博本館のコレクションにずっと素晴らしいものがいくつもあるように思います。
陶磁器も、たとえば出光美術館とか・・・。

ほんとうに、故宮博物院のコレクションの一級品なのでしょうか。
だとすると、中国文明の最高の作品たちは、日本や台湾、それにもしかしたらヨーロッパなど・・・ 戦争や革命、内乱で乱れている間に、相当数、国外に流出してしまったのでしょうか。


日本でも、明治の文明開化の頃、それから戦後の皇族や財閥の解体と財産税の時代に、多くの美術品が二束三文で売られ、海外に買われました。次の展覧会がボストン美術館展というのも興味深い。ボストンの日本美術コレクションには素晴らしいものがたくさんありますね。
中国から振り返って、少しでも買い支え流出を食い止めようとした一部の元勲や財界茶人の貢献は大きかったと、あらためて認識しなおした展覧会鑑賞となってしまいました。


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2 コメント

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一級品 (赤坂うさぎ)
2012-01-17 08:25:34
一級品というのはそれなりの識者が見ないとわからないもので、戦争に勝利した軍人が理解できるものではないんですね。勝利の実感を得る為に相手国の貴重な宝を片っ端から略奪するから本当にいいものが流出してしまうんでしょうね。
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自国文化の価値を認めないとき (ぴんくこあら)
2012-01-17 18:00:09
略奪蒐集で有名なのは大英博物館ですね。エジプトやインダスのコレクションはものすごいものがあります。

一方で、日本美術のいいものを買いまくって救ったのが維新の元勲や財閥創始者、財界トップの一部だったのも興味深いです。彼らはまた中国のものも買い漁ったので、殷の青銅器の名品などが日本にあるのですね。
美術品の国外流出は、けっきょく、国民が自国の文化の価値を認識しなくなって・・という要因も大きいと思います。文化大革命の影響なども大きいでしょう。
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