ある朝のこと
ある朝のこと
もっと言えばある日の夕刻のこと
見渡す限りの草原の中で、ぼくは君との結納話をお墓に今度もっていこうと提案した。
きみは笑顔で受諾した。 笑顔で受諾した。 笑顔でピースした。 笑顔でOKサインをだした。
走り回ってた。 踊ってた。 サンバを踊って、盆踊りを踊った。 雑草を引きちぎって、宙に舞った。
風は吹いていた。 でも上空だけ。 僕らのいる場所はじめじめしてた。 蒸し暑かった。 蚊がいっぱいいた。
死んだ。 殺した。 いっぱい殺した。
殺さなきゃ、こちらが殺られていた。
いっぱい撒いた。 殺虫剤。 しゅーしゅーしゅーしゅーしゅーしゅー
ようこそ ようこそ ガス室
目一杯に 目一杯に
こんど持っていこうよ。 この提案を持っていこうよ。
ご先祖様は何て言うだろう。 みんな喜んでくれるかな。
祝福してくれるかな。 愛してるって言ってくれるかな。
さすがのおまえでも無理だって言われるかな。
そしたらどうしよう。 そしたらどうしよう。
そしたらこうしよう。 そしたらこうしよう。
蹴り飛ばすんだ。 蹴り飛ばして、崖から落としちゃえ。
こっぱみじんだ。 コッパ コッパ コッパ
そしたらみんな居なくなる。
そしたらこの世は僕らだけ。
ぼくらのぼくらの世界。 ぼくらだけだってさ。
いい気味だね 小気味いいね。 あっぱれ、こっぱれ、あっぱれ、こっぱれ
あーあ いい気持ち。