裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

人類の戦い

2014年10月17日 22時45分33秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
エボラウィルス、怖い・・・
「ウィルス」ってのは、細菌よりもひと桁ふた桁小さいひとで、生きてるんだか死んでるんだか、あるいは宇宙人なんだかもよくわかんない、鉱物に限りなく近いブッシツなんだよ。
からだのつくりも有機的というよりは幾何学的だし、呼吸や栄養摂取や排泄や、つまり一切の代謝をしないんで、福岡ハカセはこの存在を「機械的オブジェ」と呼んでる。
こいつが生物に取りついて、相手の体内にDNAを注入すると、取りつかれた先の細胞(というか、素材)が変異して、自身=ウイルスをコピーしだす。
で、素知らぬふりをして増殖をくり返し、ある瞬間に爆発的なテロリズムにおよぶ。
こうして人類を災厄の淵に追いやるのが、ウィルスってやつの仕事らしい。
なんでこんなやつが存在するんだろうね?なんか得することあんの?
だけど逆に、こういう見方もあるよ。
つまり「人類こそウィルスなんじゃねの?」説。
立場を入れかえて「人類とは?」とかえりみてみると、どうだろう。
地球という一生命体を、利己的な環境操作と、自らの増殖そのものとでおびやかす、って意味では、人類の振る舞いはウィルスと瓜二つに見えてくる。
星いっこ分の肌を根こそぎにはいで、コンクリートでコーティングして、エネルギーをほじくりだしては、燃やしまくり、廃棄物を散らかしっぱなし。
この地球の諸症状って、天体スケールの出血熱じゃないの?
こんな瀕死の天体には、対症療法じゃラチがあかない。
「じゃ、破壊者である人類を掃滅すっか」ってんで、神様が根本治癒をねらって特効薬(=エボラウィルス)を送り込んできたとすれば、スジが通る。
神様はときどき、こうした絶滅剤を人類に向けて服用してくれる(ペストやコレラの流行、エイズが発生したときも、こうした哲学が流布された)。
人類は、こうしたものすごいやつが現れるたびに科学力でもって克服してきたんだけど、テキもどんどん強く、そして賢くなってく。
進化のスピード勝負だね、ウィルスv.s.ウィルス。
そして今、最強のテキが現れたわけだ。
わが人類の肉体に根を張り、動きまわれる感染者には咳やくしゃみでバラまいてもらい、動けなくなった感染者には糞尿や血液、最終的には屍液を垂れ流してもらって移動し、領土を拡大してくテキの戦略は、実に狡猾・・・いや、効果的。
そしてエボラウィルスの獲得した攻撃力(=致死率)ときたら・・・効きすぎのクスリそのもの。
人類を地球上にあまねく浸透させる発生源となったアフリカ大陸から、それを殲滅させようというウィルスが放たれたのは象徴的だ。
「人類よ、ちょっとは反省しろ!」と神様に叱られてるような気がしてならないのは、またオレのいつもの自虐癖だろか?
いや、ほんとにこれは、人類が自分でまいたタネだと思うんだよ。
ちゃんと環境に配慮して、振る舞いに身の程というものをわきまえてれば、自然(神様?)はこうまで本気に怒り狂わなかったんじゃないの?
んなわけで、とりあえずものすごくひろがると思うよ、エボラウィルス。
絶滅の前にはやく知恵を絞れ、人類ウィルス。
多剤耐性の不死身になれ!
・・・だけどそんな開発こそが、さらに地球環境を痛めつけてしまうわけなんだけど。
どの道、際限なく劇的進化をつづけるしかない、ってことか。
ウィルスとしての運命だ。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園