裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

フェス帰りの女

2010年08月05日 08時03分53秒 | Weblog
「フジロック」という野外フェスがありまして。
真夏の苗場スキー場に大小さまざまなステージを設営し、三日三晩、ロックを主とした音楽にひたりきろう、という催しであります。
国内外さまざまなアーティストが、広大な敷地内のあちこちのステージで同時進行でシャウトするという、夢のような企画。
ブリティッシュロックマニア(オタク)のよめはんは、毎年この時期が近づくと生き生きと精気がみなぎりだし、浮き足立ち、仕事もそこそこに(ウソ、がんばってます)音楽に集中しはじめ、フェス会場のどのステージをどの順番で観てまわろうかしら、とコース立てとスケジュール組みに余念がなくなります。
そして三日三晩を終えると、夢心地になって帰ってきて、ほわわわわ~ん、といつも以上に惚けまくります。
正月みたいなもんなのかな、ここで一年がリセットされるみたいな。
そしてオレの幻覚かもしれないけれど、以後一週間(魔法がつづく時間)は、よめはんのお肌が三つは若返った状態に見える。
人生にはこういう時間が必要なのかもしれないね。
さて、お土産はなにかなー、と聞いてみると、その前に「土産話」がある、という。
いわく、彼女が大好きなバンドがあり、初日にそのライブTシャツを買ったんだそうな。
ところが着てみると、脇に穴があいており、そこに「B品」の記号を発見。
検品ではじかれた不良品が店頭に交じってて、それをよめはんが手にしてしまったわけ。
翌日に、取り替えてもらおうと店に出向く。
ところが、その人気Tはすでにソールドアウト。
ガックシしつつ、しかしそこはタダでは起きない女。
「なんかおまけしてください」
そう言ってみると、店員が奥に引っ込み、店長らしきとひそひそ打ち合わせ。
昨今はモンスターのようなクレーマーも多く、売り手側は消費者に対してとてつもなく臆病になっている。
そして店側が出した提案。
「5枚で、いかがですか?」
5万円・・・ではない。
お好きなTシャツ5枚選んで、もってってくださってけっこうですよ、という驚くべきサービス。
ライブTといえば、一枚=3千5~6百円はするプレミア品。
よめはん、大よろこびで選びまくったんだそうな。
・・・とここまで聞き、オレも大よろこびではないですか。
オレにはどんなTシャツくれるんかな~、と。
ところが、「ぜんぶわたしの」と言い放ち、よこさない。
一枚も?
オレには一枚もないの?
そして出てきたお土産が、小さな封筒のようなものに入った柔らかき物体。
「なんや、これ?」
「シソ味噌。おいしいよ」
どないやねん!
ロックに頭をやられてる女とは、常識的なやり取りができん。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園