裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

米洗う

2007年11月01日 10時16分46秒 | Weblog
「米洗う 前に蛍が ふたつみつ」
という句があるのだ、と、国語の先生は言うのです。
ほーほー、と、中学時代のぼくは聞き入ります。
しかしこれでは蛍が、じっとしてるのか、動いてるのかがわからん、と先生。
そこで、こうつくりかえます。
「米洗う 前へ蛍が ふたつみつ」
なるほど、これで動いてる感じがでた。
だけどまだこれでは、あっちからこっちへ、という方向が示されただけで、縦横無尽に動いてるようには感じないじゃろ、と先生。
そこでもうひと工夫。
「米洗う 前を蛍が ふたつみつ」
これで蛍は自由さを得て、生き生きと飛び交いはじめるのじゃ、と先生。
なるほど。
「に」では位置をあらわし(点・一次元)、「へ」では方向をあらわし(線・二次元)、「を」では立体的な動きを表現(奥行き・三次元)してるんだなー、と、遠い日の授業を突然思い出した電車の中で、考えまとめる師範です。
日本語は正確に。
そして、色どり豊かに使いましょう。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園