日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

自民党は誰が総裁になっても衆院選では大敗するだろう

2021年09月15日 10時22分03秒 | 日々雑感
 自民党は、総裁選は9月17日告示、同29日投開票とすることを正式に決定した。これを受けて現在、岸田文雄氏、河野太郎氏と高市早苗氏の3名が立候補宣言している。

 岸田氏はいち早く立候補を表明し、 9月2日に出演した報道番組で森友学園問題の再調査について問われた際、”国民が納得するまで努力をすることは大事だ”と力強く語っていた。森友学園問題では国民の大半が安倍前首相のこれまでの説明に納得していない為、岸田氏はこの件で再調査を行うつもりだと理解され、これを切欠に岸田氏は安倍氏と決別し自民党を作り変えるものと期待を大にした。

 しかし9月3日、菅首相が突然辞任を発表し、河野氏との争いになると見るや、安倍氏の支持を取り付けたいと、再調査をしないと明言した。岸田氏は、国民が納得する説明と再調査しないことは矛盾しないと苦し紛れの説明しているが、これは安倍前首相や菅首相が得意とするご飯論法で国民が納得できるはずが無い。岸田氏の国民が納得できる説明に期待してはいたが、自らのご飯論法には大いに失望させられた。

 河野氏は突破力・実行力の強さや歯にきぬ着せぬ言い方を売り物にしており、安倍氏の長期政権を支えた長老政治を世代交代させられると期待していた。河野氏は脱原発派で有名であるが、安全が確認された原発の再稼動を容認するとし、従来からの主張がトーンダウンした。安全とは何か等で問題は残るが現実的な対処法であり、やむを得ぬところはある。ただ、核のゴミの最終処分場が決まらない限り、断固再稼動は認めないと主張すべきだ。一方、森友学園問題では岸田氏と同様に再調査しないと明言し、これには大いに失望させられた。

 9月14日、石破茂氏は出馬を見送り、他候補の支援に回る方向に傾いたようだ。河野氏は当選したならば、挙党一致体制で政権運営すると述べ、石破氏に支援を求めたようだ。恐らく石破氏に閣僚参加を打診したと思われるが、石破氏は支援の確約はしなかったとのことだ。

 高市早苗氏は、安倍路線の継承を主張しているが、国会議員や国民の人気度は低く、当選しそうに無い。しかし、総裁選挙が2名の決選投票になった場合の当て馬の役目だそうだ。

 安倍長期政権の最大の負の遺産は財政健全化の案件だ。安倍前首相は成長戦略も旨く行かず法人税の伸びない中、ようやく消費税10%化を実現し、今後10年間は増税の心配なしと大見得を切った。

 国の借金は異次元金融政策で膨らみ、コロナ騒動が追い討ちをかけ、GDPの2倍以上となっているが、財政健全化への努力に真剣みは無い。財政健全化への第1歩は増税であろうが増税は国民の反発必須である。増して総選挙前に誰も言い出さないだろうが、財政健全化は避けて通れない。国の借金が1100兆円も無ければ、コロナ騒動での財政出動や東京五輪で出した莫大な赤字も容易に対処できたであろうが。

 現在、総裁に立候補している3名も、財政健全化に対する具体案を示していない。しかも、高市氏以外、安倍前首相に忖度し自説をトーンダウンさせている。国民は、開かれた自民党、納得できる説明、を求めているが、このままでは総裁選後の総選挙では大敗するだろう。2021.09.15(犬賀 大好ー746)