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トヨタ社長のもう一つの顔 「モリゾウ」に変わる時

2018-09-25 00:24:11 | 日記

2017/10/25

GRの記者会見に登場したトヨタ自動車の豊田章男社長(右)

 トヨタ自動車の豊田章男社長が、東京モーターショー(25日から報道機関向けに公開)の顔になる。日本自動車工業会長で日産自動車の西川広人社長が、同社の無資格検査問題で東京モーターショーの会長役を務められなくなったため。会長代行として章男社長が立つわけだ。トヨタ創業家出身のプリンスは、すでに業界の顔ともいえる存在だが、もう一つ、自らハンドルを操って車の限界に挑戦するレーサーとしての顔も持っている。

 「びびった」。テストコースでクルマを運転する章男社長の隣に座ったあるトヨタ幹部はこう振り返る。時速300キロで走り抜け、猛スピードでカーブに突入。「一瞬の油断で大事故につながる。この人、本当に社長なのか」。ぞっとしたという。このとき、ハンドルを握っているのは章男社長ではなく、「モリゾウ」だ。

 章男社長には、モリゾウと名乗るレーシングドライバーの顔がある。ドイツの過酷なニュルブルクリンク24時間レースのほか、様々な大会に挑戦している。通常、自動車メーカーの社長が自らレースに参加するなどリスク管理上あり得ない。しかも章男社長はサラリーマン社長ではない。なぜ章男社長はモリゾウにこだわるのか。

 このユニークな名前は、父親でトヨタ名誉会長の豊田章一郎氏が大会運営のトップだった2005年の愛知万博の公式キャラクター「モリゾー」をもじったといわれる。とにかく章男社長はモリゾウと呼ばれるのが好きだ。

 「マツダさんと提携したけど、実は経営陣と最初に会ったのは自動車のテストコース。そこで今日はモリゾウさんと呼んでいいですか、問われた。最近、モリゾウとよく言われる」。9月下旬のトヨタの新たなスポーツカーシリーズ「GR」の記者会見に登場した章男社長。提携したマツダとのエピソードをこう話す。

 トヨタの社長ではなく、カーガイ(自動車野郎)、レーサーとして扱われることが、うれしくてたまらないという表情だ。このGRの記者会見には当初、章男社長は出席予定者リストに入っていなかった。世界のトヨタ社長はとにかく多忙だが、あえてサプライズ登場した。このスポーツブランドのGRにもモリゾウとしての特別な思いがあるからだ。

 

「モリゾウ」としてニュルブルクリンク24時間レースにも参戦

 GRというのは、「ガズー レーシング」という意味。ガズーというのは、1998年、章男社長がまだ課長クラスの時に立ち上げた『中古車画像システム』から来ている。またインターネットが一般に普及していない時代で、この画像が販促にどう役に立つのかと社内から猛反発を食らった。トヨタを変革させたいという思いで新規事業を起こした。だが、トヨタという冠を付けさせてもらえず、画像をもじってガズーとしたわけだ。ただ、当時からマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らとも親交があった章男社長は次はネットの時代との確信があった。

 以来、章男氏はトヨタの変革や挑戦につながる事業にはガズーの冠を付ける。現在はトヨタの情報サイトとして、そして今回のスポーツカーシリーズのブランドとして使われている。

 ガズーやモリゾウを「社長の道楽」と皮肉る声もあった。しかし、トヨタは創業家出身だからといってチヤホヤする会社ではない。むしろ創業家出身者にはプレッシャーの方が強い。日本一の巨大企業トヨタ。その安定感は抜群だが、「常に変革を求め、挑戦し続けないと大変なことになる」という思いが章男社長には強い。

 名誉会長の章一郎氏も昔から「油断は大敵だ。トヨタでもいつ買収されるか分からないからね」と語っていた。

 今、自動車業界は一大変革期を迎えている。グーグルなどIT企業が先導した自動運転、そして米テスラがリードするEV(電気自動車)化の流れのなか、トヨタはその先頭を走っているわけではない。あまりにも巨大になった組織も柔軟とはいえない。

 GRの発表会見の会場では、ドリフト走行も披露した章男社長。今後も挑戦する男、モリゾウの出番が増えそうだ。

(代慶達也)


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