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森の里ホームズのブログ

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有馬症候群(指定難病177)

2025-03-12 06:24:17 | 更新記録
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 有馬症候群(OMIM 243910)は、1971年に有馬正高さんにより報告された疾患で、乳児期早期より重度精神運動発達遅滞、先天性視覚障害、嚢胞腎(ネフロン癆)、眼瞼下垂、小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常を呈し、小児期までに死亡する常染色体劣性遺伝性疾患である。Dekaban症候群は有馬症候群に類似しているが顔貌異常の記載が無い、Joubert症候群は呼吸異常、精神運動発達遅滞、小脳虫部欠損を呈する疾患であり、Senior-Loken症候群は先天性視覚障害、ネフロン癆、精神遅滞を 呈し、COACH症候群は先天性眼球障害、肝繊維化、精神遅滞、小脳虫部低形成を呈する疾患である。 これらは一連の疾患群と理解されている

 【原因】
 有馬症候群の原因は不明である。Joubert症候群の原因遺伝子としてAHI1、NPHP1、NPHP6(CEP290)、TMEM67(MKS3、MECKELIN)、RPGRIP1Lが報告されている。

 【症状】
 有馬症候群:乳児期早期より精神運動発達遅滞、網膜欠損、嚢胞腎(ネフロン癆)、眼瞼下垂、小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常を呈し、腎障害のため小児期までに死亡する。
Dekaban症候群:有馬症候群に類似しているが顔貌異常の記載が無い。
Joubert症候群:異常呼吸運動、精神運動発達遅滞、小脳虫部欠損を呈する。
Senior-Loken症候群:先天性視覚障害、ネフロン癆、精神遅滞を呈する。
COACH 症候群:先天性眼球障害、肝繊維化、精神遅滞、小脳虫部低形成を呈する。

いずれの疾患も重度な障害のため、日常的に感染症、誤涎性肺炎などの注意が必要である。

 【治療法】
 現在のところ根本的治療法はない。従って治療は対症療法である。理学療法を中心とした療育が重要である。

<出典:難病情報センター>

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ロスムンド・トムソン症候群(指定難病186)

2025-03-09 06:41:13 | 更新記録
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 ロスムンド・トムソン症候群は、小柄な体型、日光過敏性紅斑、多形皮膚萎縮症、骨格異常、若年性白内障を特徴とする常染色体劣性の遺伝病である。類縁疾患としてラパデリノ症候群、バレー・ジェロルド症候群があるが、同じ遺伝子座に異常を認めることから現時点では当該疾患に含めて取り扱う。

 【原因】
 DNAの複製・修復に関与するヘリカーゼタンパクRecQL4の異常により、発症する。病因遺伝子は明らかになっているが、その機能については、不明な点が残されている。

 【症状】
 特徴的な皮膚所見が乳児期から認められる。浮腫性紅斑から毛細血管拡張、皮膚萎縮、色素沈着を来す。特に、日光に暴露される箇所に強い。水疱を形成することもある。疎な毛髪、眉毛が認められる。前頭部の突出、鞍鼻などの顔面や拇指、橈骨の欠損など骨格の異常を示す。爪の形成不全がある。歯の異常も伴う。両側性の若年性白内障、生下時からの低身長、性腺機能低下も伴う。知的には正常なことが多い。さらに、癌腫(特に、骨肉腫、皮膚扁平上皮癌)を合併することが多い。皮膚症状を認めない場合をラパデリノ症候群、頭蓋骨早期癒合、狭頭、短頭などを来す場合をバレー・ジェロルド症候群としている。

 【治療法】
 皮膚科、眼科、整形外科、小児科などが連携して治療にあたる必要がある。皮膚病変に関しては日光暴露をさける。皮膚委萎縮症部位のレーザー治療により、毛細血管の拡張は改善する。白内障に対しては外科的治療が行われる。齲歯が起きやすいため、口腔内病変を定期的にチェックする。骨格の異常に対しては、対症療法が主体となる。また、骨肉腫の発症を含めた注意深い観察が必要である。定期的な検診により癌腫の発生を早期に発見し、外科的切除、抗がん剤による治療を行う。

<出典:難病情報センター>

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コフィン・ローリー症候群(指定難病176)

2025-03-03 17:47:43 | 更新記録
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 精神発達の遅れ、特徴的顔貌、小頭症、先細りの指など骨格系の特徴を有し、音や触覚などの急な刺激で意識消失を伴わない脱力発作を伴う疾患である。特徴的顔貌や身体所見が診断に有用である。

 【原因】
 RPS6KA3遺伝子が責任遺伝子である。X連鎖性であり、母親が保因者の場合は、同胞の罹患の可能性がある。遺伝子診断で確定できる。

 【症状】
 出生前からの過成長、眼間開離を伴う特徴的な顔貌、骨年齢促進、軽度~中等度の発達の遅れを呈する症候群である。ほかに、短頭を伴う大頭症、低い泣き声、小顎症、顎と下唇の間に水平な皺、臍帯ヘルニア、四肢関節伸展・拘縮・弯曲,余剰皮膚、細く粗な毛髪などの症状を呈する。

 【治療法】
 対症療法が行われる。脱力発作には抗てんかん薬などが用いられる。心疾患に対しては必要に応じて手術や薬物療法を行う。

<出典:難病情報センター>

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ウィーバー症候群(指定難病175)

2025-02-21 13:47:25 | 更新記録
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 ウィーバー(Weaver)症候群は、出生前からの過成長、特徴的な顔貌、骨年齢促進、軽度~中等度の発達の遅れを呈する症候群である。ほかに、大頭症、低い泣き声、小顎症、臍帯ヘルニア、指・四肢関節伸展・拘縮,余剰皮膚、細く粗な毛髪などの多彩な症状を呈する。

 【原因】
 常染色体優性遺伝様式であるが、ほとんどが孤発例である。ヒストンメチル基転移酵素histone methyltranseferaseをコードするEZH2遺伝子の異常により発症する。

 【症状】
 出生前からの過成長、眼間開離を伴う特徴的な顔貌、骨年齢促進、軽度~中等度の発達の遅れを呈する症候群である。ほかに、短頭を伴う大頭症、低い泣き声、小顎症、顎と下唇の間に水平な皺、臍帯ヘルニア、四肢関節伸展・拘縮・弯曲,余剰皮膚、細く粗な毛髪などの症状を呈する。

 【治療法】
 対症療法が主となり、屈指、関節拘縮、側弯については整形外科学的治療を行う。発達の遅れについては理学・作業・言語療法を行う。てんかんに対しては必要に応じて薬物療法を行い、心疾患に対しては必要に応じて手術や薬物療法を行う。

<出典:難病情報センター>

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那須・ハコラ病(指定難病174)

2025-02-12 09:33:57 | 更新記録
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 那須・ハコラ病(Nasu-Hakola disease)は、多発性骨嚢胞による病的骨折と白質脳症による若年性認知症を主徴とし、DAP12(TYROBP)遺伝子又はTREM2遺伝子の変異を認める常染色体性劣性遺伝性疾患である。1970年代に、那須毅博士とHakola博士により疾患概念が確立され、polycystic lipomembranous osteodysplasia with sclerosing leukoencephalopathy (PLOSL)とも呼ばれている。患者は本邦と北欧(フィンランド)に集積している。本邦における患者数は約200人と推定される。

 【原因】
 脳のミクログリアや骨の破骨細胞で発現しているDAP12(TYROBP)遺伝子又はTREM2遺伝子の機能喪失変異により発症するが、詳細な分子メカニズムは解明されていない。

 【症状】
 ①無症候期(20歳代まで)、
②骨症状期(20歳代以降):長幹骨の骨端部に好発する多発性骨嚢胞と病的骨折、
③早期精神神経症状期(30歳代以降):脱抑制・多幸症・人格障害・言語障害などの前頭葉症候・精神症状・てんかん発作、
④晩期精神神経症状期(40歳代以降):進行性認知症を呈する。

 【治療法】
 現在、原疾患に対しては有効な治療法がなく、対症療法が主体である。骨折に対する整形外科的治療、精神症状に対する抗精神病薬の投与やてんかん発作に対する抗てんかん薬の投与が行われている。

<出典:難病情報センター>

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