「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

夏燕文字消えかかる停留所 鈴木清子 「滝」俳句9月号<滝集>

2015-09-20 04:40:50 | 日記
 住民の人口流失による過疎化、更に取り残された人達の老
齢化が進み経済的、社会的な共同生活の維持が困難になる
「限界集落」が日本の各地で起こり社会現象になっている。   
掲句は前述したほど深刻な情況には未だ落居ってはいない
地域でのバスの停留所を描写した俳句であると思われる。バ
スの時刻表が薄れて、判読が難しい位朽ちて錆ついているの
だろう。一日に数本しかバスの運行がないので運営会社も補
修する経費も厳しくそのまま放置せざるを得ない状態なのだ。
 しかし上五の夏燕を季語にしたことにより、燕の飛ぶ躍動
感がこの句を引き立て、ややもするとマイナスイメージとな
るこの句を救ってくれた。(梅森 翔)

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