「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

風船を離し孤島にゐるごとし 成田一子

2018-03-13 06:03:27 | 日記
 この風船は「離し」と、不意に手からはなれて行ったのではなく、意思を持って手から離している。自由にするとか、解放する意味なら「放す」であるが、「離す」はくっついてるものを分けることである。作者が持っている風船には季語を越えた暗喩があり、その何かを読み解くことも出来なくはなさそうだが、更に「孤島にゐるごとし」と直喩し、他者の介入を許さない淋しさを感じる句である。今は、そっとしておいてあげるのがよさそうです。(博子)

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