「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

島甚句守り冬菜の畝を切る 赤間 学

2017-02-21 03:35:25 | 日記
 「甚句」は、七七七五形式で、江戸時代後期から各地で歌われていたそうだ。地域的な特色が濃く、田植唄や草取唄のように、辛い労働を慰めるために、歌われ、踊られ、活力にしていたという。「島」という、言ってみれば小さな単位と、「守り」という長い時間に人生が見える。
この「守り」は土地を守ってきたという事にも、島甚句の伝承に尽力してきたとも取れ、人となりまで見えるようだ。
 今は、畝も機械で作る事が出来るようになった。そんな楽を思えばこそ、昔の辛い畑仕事に思いが行くのだろう。晴れた空の下、エンジンの音にまぎれて島甚句が聞えてきそうだ。(博子)