最近、高齢ドライバーが起こす交通事故のニュースが多く報じられる。作者も考えてしまうのだろう。車という移動手段がなかったら正直困るのである。田舎に住む私にはよく分かる。バスは一日二往復しかないし、それ以前にバス停まで歩く難儀もある。タクシーも廃業してしまった。そんな状況下で、父が去年、自分から運転をやめた。今はアシスト三輪車に釣道具を積んで近くに釣に行く。遠くに行くときは乗せていくが、自営業だからそれが叶う。日中留守番の身では、その決断には本当に勇気がいるのだ。のんびりした「みかん剥く」の仕草にみえる葛藤に共感する。(博子)