文化祭樟脳の香の母のゐる 阿部花代 「滝」10月号＜滝集＞

　樟脳の香がお母様の若かりし頃を思わせる句。文化祭に向
けて練習を積んできた、華道、茶道、琴、日舞など、普段は
見ることのないあでやかな姿が思い描かれる。習う側ではく
指導者だったのかもしれません。文化に貢献した人が各地で
表彰される日でもあり、同伴者としてお母様の隣にいる作者
とも思われます。昨年、主宰が教育文化功労受賞者となられ
た事を思い出した句でもありました。（Ｈ）