「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

筍やシートを覆ふ電波塔 米澤惠美子 「滝」6月号<滝集>

2012-06-20 05:15:35 | 日記
 筍も電波塔も春の空に尖がって、震災の被害を伝えて立っ
ている気がした。セシウムが検出され、筍は食べることが出
来ず、皮をむかれることもなく捨てられた。かたや壊れて何
重にもシートで覆われたままの電波塔。大小の取り合わせが、
物のいかんを問わずその被害を言い得るようにも思った。こ
の電波塔を無理やりにでも世界で一番高い電波塔であるスカ
イツリーで鑑賞出来ないかと思ったが、出来るはずもない。
春の霞んだような空に、シートの青さばかりが痛々しく見え
てきて辛い。(H)