「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

あんパンの臍や落花の始まりぬ 鈴木幸子 「滝」6月号<滝集>

2012-06-14 05:55:14 | 日記
桜漬が見えてくる。「木村屋」の宮内庁御用達のアンパン
が連想され、皇居の桜が思われる。散り始めた桜は作者の回
想の景にはらはらと舞っているのかもしれない。甘くって、
ちょっぴり塩辛い思い出が、落花の始まりにある美しいアン
ニュイとして詠まれているように思った。あんパンの臍が詩
になる。俳句とは、なんと不思議で楽しい文芸であることか。
(H)