水俣病の現在

2006年はチッソ付属病院から水俣保健所に「奇病」発見の公式通知から50年。水俣病公式確認から50年です。

インドは水不足が深刻

2005年08月15日 | 水資源
20世紀末から、インドは緑の革命の進展により、人口増加を上回る食料増産ができ、食料不足の問題は解決した、といわれた。コンピューター産業の発展もあり、インドの経済・社会は明るい方向に向かっているのは間違いないが、干ばつ被害が短期的にインド経済を狂わせる恐れがある。

グジャラート、マディヤプラデシュ、ラージャスターン、アンドラプラデシュ、オリッサ州では、2005年、南西モンスーンが弱く、干ばつ被害が深刻である。小麦、米、トウモロコシ、大豆などの生産量は大幅に落ち込んでいる。最も生産が落ち込んだのは、家畜用飼料としての大豆・とうもろこしである。

インド政府は、備蓄食料(小麦)を放出したり、海外からは飼料(大豆。とうもろこし)の輸入を増やしたりし、急場をしのいでいる。
歴史的には、干ばつになると一般民衆が暴動を起こし、地主・食料流通業者が襲撃され、社会・政治は混乱に陥ったものである。
現在では、干ばつなどの災害時でも食料を国内に円滑に供給する分配システムができていて、社会不安に陥る恐れは少ない。

家畜用飼料の生産低下により、2,000頭の牛が死亡した。干ばつの被害が最も大きい州では、さらに状況が悪化するものと予想される。
グジャラート州の主要作物は落花生であるが、今年は50%減少し、食用穀物(小麦)の生産量は、30%減少すると予想されている。
ラージャスターン州の雨量は昨年の20%減で、水不足が深刻である。小麦の生産量も23%の減少見込みである。
グジャラート州で、干ばつのために乳牛への飼料が不足した。牛乳生産量が、昨年の同時期に比べて3~4%減少した。今後はさらに落ち込むと思われる。

インド政府の備蓄穀物は3,000万トンあり、暴動や社会不安に発展することはない。従来、国内で食料不足などの問題が起こると、パキスタンとの国境紛争(カシミール問題)を起こして、食料不足の問題を中途半端な外交問題にすり替えて終わらせたものであった。現在は、豊富な備蓄穀物があり、国内問題を国外問題にすり替えてしまうことはない、と考えられる。

http://www.d4.dion.ne.jp/~aoisora/

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