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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

長野市南部の保科に鎮座する牡丹と紅葉で有名な阿弥陀山清水寺へ(妻女山里山通信)

2019-11-30 | 歴史・地理・雑学
 金曜日の午前中は雪もちらついた長野市南部。最高気温が6度と寒い日でした。紅葉はもう終わっているかなと思いましたが。確かに終わっているものもありましたが、見頃やまだ緑色の葉もありました。今年は冷え込みが浅いのでここに限らず里山の紅葉は鮮やかさに欠けますね。
 清水寺(せいすいじ)は、真言宗智山派の寺で、山号は阿弥陀山。信濃三十三番札所の十六番札所です。

 鐘楼の脇の紅葉。白い壁や青空に映えます。お昼頃だったのですが、次々に車がやってきました。

 清水寺の御由緒。国指定重要文化財の説明。
 寺伝によれば天平14年(742年) - 行基が千手観音像・脇侍聖観音像・不動明王像を造像し寺を創建したといい、大同元年に坂上田村麻呂により堂宇が再建されたという。
木造聖観音立像(平安時代末期、寄木造)
木造千手観音坐像及び脇侍地蔵菩薩立像(千手観音は平安時代中期、一木造、地蔵菩薩は平安時代末期、寄木造)
木造阿弥陀如来立像(平安時代末期、寄木造漆箔)
木造薬師如来坐像(平安時代中期、一木造)
木造広目天立像・多聞天立像(平安時代末期、寄木造)
絹本著色両界曼荼羅図
鉄鍬形 金銅雲竜紋象嵌

(左)本堂。(右)本堂左手から奥の院の観音堂への石段が始まります。私は山を登りなれているので13分で着きましたが、普通は20〜30分かかると思います。

(左)登り始めの紅葉は水分が抜けて縮れていました。(右)三重塔跡。1916年(大正5年)の保科大火で消失。大日堂や仁王門、数々の仏像なども消失しました。参道は、豪雨で石段が壊れたり、えぐれていて歩きにくいです。できればトレッキングシューズで。観音堂までは、本堂の右手から車道がありますが、軽トラや四駆の軽がいいでしょうね。

 手水と不動明王か。清水寺観音堂が見えました。

 懸崖づくりの観音堂。京都の清水寺を連想させます。

 重要文化財の千手観音。真言は、おん ばざら だらま ぎりく そわか(唵 斡嚩囉 塔囉痲 紇哩 蘇婆訶)。密教における仏菩薩(ぶつぼさつ)などの本誓(ほんぜい)(人々を救済しようとするもとの願い)を表す秘密語、密呪(みつじゅ)。サンスクリット語のマントラmantraの訳。呪(しゅ)、神呪(しんしゅ)などともいわれる様です。

 観音堂の脇に立つ見事な枝垂れ桜。春はそれは見事でしょう。

 逆光の紅葉。赤い色が少ないのは、冷え込みが浅いのでアントシアニンが増えないためです。まだ緑色の葉さえ見られます。しかし、空気は冬の匂いがします。

 大正の大火で消失した堂宇の説明。三重塔は、裳階(もこし)がありませんね。上田市の塩田平にある国宝の大法寺三重塔と同じ造りでしょうか。だとしたら本当に重要なものが失われてしまったということです。
その美しさから「見返りの塔」と呼ばれる大法寺の国宝三重塔へ(妻女山里山通信)

 羅漢像の向こうに鐘楼と紅葉。暖かい格好をしてきましたが冷えました。温泉に入る前にお昼を。

 篠ノ井の石川亭へ。おしぼりうどんをいただきました。辛味大根(ねずみ大根や信州地大根など)の絞り汁に信州糀味噌、鰹節、長ネギを溶いていただきます。信州でも旧埴科郡と更級郡でしか食べることができない、醤油がなかったころからある相当古い伝統食です。辛くて甘いその味を「あまもっくら」といいます。篠ノ井や戸倉上山田温泉、坂城には名店があります。うどん好きならぜひ召し上がってみてください。我が家では昔から長く太く生きるという意味を込めて、元旦の朝は毎年これをいただくのが伝統です。
おしぼりうどんのオリジナルレシピ

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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