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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ウラゴマダラシジミ初見と琥珀の赤ちゃんと白馬三山の夕影(妻女山里山通信)

2018-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年の梅雨は陽性なんですかね。雨量は少なめで気温は平年並みかやや高め。ぐずついた雨や曇りの後で晴れたので、陣場平へ帰化植物の様子を見に行きました。平地の気温はぐんぐん上がって25度でしたが、陣場平は22度。爽涼な風も少し吹いて快適でした。妻女山松代招魂社の前に車で行くと、ノスリの子供が小鳥を襲う最中。邪魔してしまいました。脇のヤマザクラに止まったので撮影したかったのですが、すぐに飛び立ってしまいました。
 陣場平へ車で登るとシジュウカラが先を飛んで道案内。キセキレイやヤマガラ、メジロなどもします。よく見ると先で虫をついばんでいます。車が来る振動で出てくる虫を食べているのでしょう。畑で耕耘をしているときも虫を求めて寄ってきます。実は道案内をしているわけではないのですが、可愛いです。

(左)陣場平へ行く前に、山椒の群生地で縮緬山椒にするために実を採りました。赤く色づき始めたのもあり、今季最後の採取です。陣場平は日差しが強くハレーションが起きるほどのコントラスト。クロメマトイが五月蝿いのでタオルを振り回しながら、出始めたハルジオンやオオブタクサを抜き取りました。下からおばさんが一人蕗を採りながら登ってきました。蕗もそろそろ終わりです。(右)昼は今は亡き友人のログハウスへ。仁科三山の鹿島槍ヶ岳は雲の中。左は爺ヶ岳。千曲川は少し増水し色も茶色く濁っています。手作りの弁当と淹れてきたマテ茶でまったりと昼食。クモガタヒョウモンやテングチョウが舞い、ゆっくりと時が流れていきます。

(左・右)ログハウスにある杉の中に樹脂が出ているものを発見。この中に昆虫が閉じ込められ、長い年月をかけて石化すると宝石の琥珀になるわけです。琥珀になれる確率はほとんどないでしょうが、琥珀の赤ちゃんともいえる樹脂です。しかし美しい。

(左)ヤブヘビイチゴの真っ赤な実があちこちに。無毒ですが、無味で美味しくはありません。ただ、熱や咳、喉の痛みや痔などに効く薬草です。抗がん活性作用もあるそうです。似ているヘビイチゴの実は艶がなく淡い色です。以前作った句。
「蟒蛇(うわばみ)の 喰う様可笑し 蛇苺」 林風
 蛇は食べませんけどね。
(右)ヤブヘビイチゴの花。ミツバツチグリ、キジムシロなど、春に咲くバラ科の黄色い花は似たものが多く、同定に苦慮します。

(左)カメムシとはすぐ分かりますが、特徴的な色や文様がないと結構同定が難しい。これはオオヘリカメムシかな。フキ、アザミ、モミジイチゴ、キジムシロなどの汁を吸います。頭部にタカラダニがついていますね。カメムシの駆除に、ネオニコチノイド系の農薬や殺虫剤を絶対に使ってはいけません。(右)コナラの大木から樹液が出始めました。ヒメスズメバチが来ました。その前には結構凶暴なチャイロスズメバチも。7月に入ると、オオムラサキやカブトムシ、アオカナブンなども訪れ、樹液バーは賑やかになります。

 用事があるので下ろうとすると、ウラゴマダラシジミを発見。今年の初見です。縞々の触覚と脚が可愛い。ゼフィルスの中では、やや大型の部類に入ります。幼虫の食草はイボタ類。成虫はイボタや栗で吸蜜します。今は林道脇などでイボタの白い小花がたくさん咲いています(3つ前の三峯山の記事に写真)。私は一眼レフもハイコンデジのTG-5も望遠マクロではなくマクロで撮影するので、レンズの先端から対象まで10センチとか1センチとかまで寄ります。どう逃げられない様にするかは企業秘密です(笑)。オオスズメバチに10センチとか、もう究極の撮影ですね。でもいいモデルになってくれたときには、撮影後に必ずありがとうねと言います。

 飛ぶのが速くなかなか止まらないので、撮影が難しいのですが、このときは何を探しているのか葉の表や裏を行ったり来たり。翅を開いてくれないかなと念じていたら、なんと開いてくれました。後翅の左右同じところが欠損しています。小さなニホンカナヘビとかに食いちぎられたのでしょうか。オオムラサキも、羽化したての頃は樹液が少ないので、地上に下りてイノシシの糞を吸ったりしますが、そういうときに襲われます。拙書ではコラムでそのことを組写真を載せて書いています。

 妻女山展望台から望む善光寺平と左に戸隠連峰と戸隠富士の別名をもつ高妻山。右に飯綱権現で謙信や信玄の尊崇を集めた飯縄山。間の手前の山は富士ノ塔山。山頂は、武田軍の川中島への侵略に備えた小田切氏の狼煙台ともいわれていますが不詳です。千曲川のヤナギやニセアカシアの緑も濃くなってきました。AC長野パルセイロのホームスタジアムからは、試合の日にはここまでチャントが聞こえてきますが、今日は静かです。

 東の松代城方面の眺め。左に大きな山体の奇妙山。拙書でも載せていますが人気の里山で、山頂は古い山城です。右奥は、菅平高原の上にそびえる根子岳(左)と四阿山(右)。これも拙書で詳しく歴史やコースを載せています。非常に人気が高く、首都圏からの登山者も非常に多い山です。四阿山は真田の山です。山頂には麓の山家神社の奥宮が二つあり、その間には原点となったといわれる小石祠がありますが、気づく人は少ないです。拙書では他では読めない四阿山と真田の歴史や由来を書いています。

 用事を済ませて夕方もう一度展望台を訪れました。茶臼山の左向こうに夕影の白馬三山。左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。茶臼山の右奥は、拙書でも載せている神話の山・虫倉山。あそこまでが松代藩の領地でした。神城断層地震で山頂の4割が崩落してしまいました。次に大地震が来たら山頂そのものがなくなってしまうかもしれません。梅雨ですし翌日が雨の予報なので燃えるような夕焼けではありませんが、淡い茜色から青みがかったねずみ色のグラデーションがなんとも美しい夕景色でした。
 ちなみにここは「信州のサンセットポイント100選」のひとつです。また、江戸時代は「川中島八景」のひとつで、「妻女山秋月」といわれました。観月の名所だったのです。ただこの妻女山は、本来の妻女山(斎場山)であったと思われます。当時展望台の場所は地元でも赤坂山と呼んでいましたから。残りの7つは、茶臼山暮雪、猫ヶ瀬落雁、八幡原夕照、勘助塚夜雨、典厩寺晩鐘、海津城晴嵐、千曲川帰帆です。
妻女山暮色、千曲川夕影。晩秋の北信濃。(妻女山里山通信):「川中島八景」の解説

(左)晴れた日曜日に再び帰化植物の除去に陣場平へ。陣場平へ向かう小道から林道を振り返ったところ。天城山から男性が下りてきました。(右)小道から陣場平を見たところ。林道から50mぐらい。第四次川中島合戦のときに上杉謙信が陣小屋を立てた場所と地元で言い伝えられてきたところです。現在は、貝母(編笠百合)の貴重な群生地として、我々妻女山里山デザイン・プロジェクトもメンバーで保全活動をしています。
 下山中に長坂峠で、以前茶臼山で出会った男性に邂逅。拙書を買ってくれたそうです。天城山林道から雨宮に下るコースを勧めました。楽しんでもらえたでしょうか。駐車場に下ると四駆に乗った小さな男の子を連れたお父さん。どちらの林道へ行こうか迷っていたようなので拙書を見せて説明。左の林道を推薦しました。根子岳に登ったことがあるそうで、拙書にも非常に興味を持ってくれたので、パンフレットを渡しブログも紹介しました。当ブログには、就学前の子供と登る際のノウハウや注意事項をまとめた「キッズ・トレッキングのアドバイス」という人気の記事があります。ぜひお読みください。
「キッズ・トレッキング」のアドバイス。(信州妻女山里山通信)

作業を終えて帰ろうと車に乗るとフロントグラスにカゲロウが。大きな眼が愛らしい。カゲロウは70種ぐらいいて同定は非常に困難です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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