本屋で雑誌を見ていると、週刊現代に「歯医者にダマされてはいけない」
という記事があったので、気になって読んで見ました。
歯をなるべく削らず、神経を守ることの重要さを書いているのは
大変素晴らしいのですが、その削らない治療が
レーザー、オゾン、エアアブレーション、3Mix-MP法なのが残念でした。
レーザーやエアアブレーションの適応は初期のムシ歯に限られますし、
オゾン、3Mix-MP法に関しては、治療の効果があるのか科学的に証明されていません。
テレビや雑誌では、まるで最先端で確実な治療のように紹介されますが、
歯科医師として安全性、有効性に科学的根拠がない治療を行うのって、
どうなんでしょう?患者さまのためになるんでしょうか?
研究のために治験として行うのなら良いと思うのですが…
でも、自分なら受けたくないですけどね。
確かにこれまでの治療はムシ歯になっている可能性のある部分は
全て除去した上で、なおかつ修復物を脱落させず長持ちさせるために
健全な部分も除去していましたが、
様々な材料の開発されたことによって、
現在では普通の治療でも健全歯質を出来るだけ削らずに最小限の侵襲による
ムシ歯治療(MI:minimal intervention/ミニマルインターベンション)が
保存修復の主流になりつつあります。
なるべく削りたくないという患者さまのお気持ちは当然です。
そのために重要なのは患者さま自身の歯磨き、
そして定期検診による早期発見、早期治療だと考えます。
初期のムシ歯なら3Mix-MP法に頼らなくても、
痛くなく、あまり削らずに、目立たない治療が可能ですので。
しかし、この記事で自由診療を批判的に書きつつ
「3Mix-MP法」を薦めるのはともかく、
「いい歯医者を見極めるポイント」として、
「日本歯科保存学会」に入ってることを挙げているのには、
思いっ切り矛盾していて失笑してしまいました。
何故なら保存学会では3Mix-MP法の安全性と有効性の科学的根拠がないとし、
治療技術として容認することは難しいという見解を示しているんですから。
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