もしかしたら関東南部も雪になるかもしれないという予報が出ていたが、大丈夫だった。
帰りは浦安で途中下車して、メトロセンターのつり舟へ行く。
年内にもう一回ぐらい飲んでおきたい酒はこの店で出てくる、菊正宗の樽酒。もうあまり多くは飲めないし、それに平日だし、ビールはとばして最初から樽酒でいく。
そして、最初のつまみはあじたゝき。ゆっくりと樽酒を飲みつつ味わって食べる。
樽酒はもう1杯飲む。次のつまみは野菜類にして、里芋みぞれ煮。
今日はこれぐらいで帰ろうかと思っていたのだが、どうも店の雰囲気に妙な違和感。
ボトルキープはお断りしていますという貼り紙。といいながら、店内の棚にはキープのボトルが並んでいる。つまり新規のはだめということなのだが、まるで、近々、やめる店みたい。
すると、ママさんとほかのお客さんとの会話でも、この店が閉店しそうなことを言っているのが聞こえてくる。
座敷席のほうを見ると、やはり、閉店を知らせる貼り紙が。聞いてみると、この年末で閉店するとのこと。
自分が来るようになってからまだ6年だが、店は28年あまりやっていたということだ。マスターもママさんも、さすがに年を取って、続けるのもしんどいので閉店することにしたという。実際、自分が来るようになった時期で、土曜と日曜が休業日だった。日曜はともかくも、居酒屋が賑わう土曜日に休んでいたのだから、やはりきつかったようだ。
年末で閉店と知ったら、すぐ帰るのは惜しくなった。もう一品、何か味わっていこうと、やや値段は高いが、お名残として赤魚鯛煮付を注文。アルコール類はさすがにもう樽酒はやめておき、焼酎の緑茶割を1杯。
これも、ゆっくりと味わってくる。
トイレの、ちょっとHなユーモアを込めた注意書きも見納めだ。
帰るときは、いろいろとおいしいものを食べさせてもらってありがとうと、マスターともカウンター越しに握手してくる。
前回、来たのはこの9月で、新さんまの塩焼きを食べた。串で刺して、身をうねらせる形にし、網に乗せて焼いたときのように皮がむけたり、身が崩れたりすることなく、きれいに焦げ目をつけて焼いたさんまを出してくれる店はあまりない。オンドリ閉店後、この3年間、そのシーズンの新さんまの塩焼きを最初に食べる居酒屋は、このつり舟だったが、さて、来年からはどこで食べようか。