行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2010年7月25日(日)の日記

2010年07月25日 | 日記

銀座へ映画を見に行く。映画館は外堀通り沿いにある丸の内TOEI。東京圏に住んで長いし、銀座へ来れば目に入るが、中へ入ったのは今日が初めて。ビルの名前が東映会館で、昔からある映画館。なので造りも古くからある映画館のもので切符売り場は表の道路に面したスタイル。

ロビーも昔からの映画館という雰囲気。東映だから仮面ライダーやスーパー戦隊のポスターがずらっと貼ってあった。

シアター内も昔ながらのスタイルで、前の人の姿勢がよいと頭が邪魔になる平面的な座席の配置。自分の前に座った人は姿勢よく座らなかったので大丈夫だった。

このシアターには2階席もあった。もっとも2階席は混雑して1階席で客をさばけなくなったときだけ使うということ。今日はそこそこの入場者だったので、1階しか開いていなかった。

開演前や上映中でも静かな場面のときに、遠くからゴーという響きが聞こえた。どうも前の道の地下を走っている地下鉄丸ノ内線の音が聞こえてくるようだ。今日入ったシアターは地上1階のほうだったが、地下1階にあるもう一つのシアターだったら、三原橋地下のシネパトスで日比谷線の音が聞こえるのと同程度の音が聞こえるのではないかと思う。

 

見た映画は必死剣鳥刺し

骨太な内容の時代劇だけに見ごたえがあった。豊川悦司演じる主人公の影響を受けたようで、見終わったあと、どうも背筋がしゃんとする。昔、高倉健の仁侠映画が人気だった時代には、映画館から出てきた男たちがみんなスクリーン上の健さんと同じような歩き方になっていたという話を聞いたことがあるが、それと似たようなものだろう。自分もいい年して映画の主人公に影響されるとはと思うが、観客をそんな気持ちにさせる作品だった。

豊川悦司が使う秘技が必殺剣でなく必死剣というのは、ラストになってようやく分かる。それを使わざるを得ない状況に追い込んで自らが討たれる腹黒い家老役が岸部一徳。しかし、岸部一徳はこういう役がはまり役だ。それからバカ殿様役の村上淳もなかなか。バカ殿といっても志村けんがコントでやっているようなものではないが。

だけど今回、一番印象に残ったのは関めぐみ。関めぐみをこれまで見たことがあるのは「アヒルと鴨のコインロッカー」(劇場ではなくCS放送(うちはケーブルテレビ経由)で)。その映画では、一本気で正義感が強かったため非業の死を遂げる女性・琴美の役だった。

それが今回の作品ではバカ殿様の愛妾・連子様。寵愛をいいことに藩政に口を出し、気に入らぬものを殺させ、やりたい放題。責められたら、巧みに話をすり替えて屁理屈をこねまくるという、観客に「こんな奴、殺されて当然!」と思わせるような、嫌なこと極まりない女を演じていた。「アヒルと鴨」での琴美との落差にはまったく驚く。

役柄の落差という点で麻上洋子を思い出した。

麻上洋子と言うと自分の年代がまず思い出すのはアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1974年)の森雪。最初のテレビシリーズの最終回、死んだと思われていたガミラスのデスラー総統(伊武雅刀)が地球にたどり着く直前のヤマトを襲い、ガミラス人には無害だが地球人には生命に危険な放射能ガスを流し込む。この危機に森雪は組立てが終わったばかりの放射能除去装置コスモクリーナーDを動かすのだが、危険だから止めろという真田工場長(青野武)に対して、半泣きの甘ったるい声で、
「だって、古代君が死んじゃう...」
と訴えるのだった。そして、森雪はコスモクリーナーを動かしたがために仮死状態になる。

このけなげな森雪を演じた麻上洋子が1980年の「伝説巨神イデオン」で演じた役がハルル・アジバ。武術に関しては男と対等以上の能力を持ち、大きな軍勢を率いる女傑の役。異星人(地球人)と行動を共にしてしまった妹カララ(戸田恵子)を裏切り者と決め付け、服を引き裂いて嘲笑することを配下に命じ、自分も辱められた妹に高笑いする。もう30年前だが、けなげな森雪と同じ人がこんな役をやるという落差には驚いた。

関めぐみの琴美と連子様と、麻上洋子の森雪とハルル様がキャラクター的に似ているのではない。同じ人がこれほど落差のある役をやっているのが驚きというところが共通点。そのように驚かされるというのは関めぐみがそれだけ力のある女優ということなのだろう。

 

映画を見終わったら午後1時過ぎ。外は猛暑で、場所が銀座とくれば、やっぱりビアホールに入って冷たいビールで昼呑みといきたい。

映画館が外堀通りで数寄屋橋のすぐ近くだが、その近くにあるニュー・トーキョー数寄屋橋本店に入る。有楽町界隈では老舗のビアホールらしい。

日比谷・有楽町あたりに来るたびに気になっていた店だが、今回初めて入る。丸の内TOEIとともに今日は初物が続く。

これが入口。

店内は天井を高くしてシャンデリアをぶら下げ、壁には古代エジプトの絵を描いたステンドグラス。女性店員の制服はドイツの村娘風。

ビールはサッポロのだが、エビスの樽生はなかった。それで、最初はサッポロ生の大ジョッキ。

席について飲み始めても、まださっき見た映画の影響で背筋がしゃんとなっていた。それで昼呑みしていれば世話はない。

ソーセージもいいが、牛舌の岩塩焼きがあったのでそれにする。

そしてビアホールの定番のジャーマンポテト

2杯目はエビスの黒生中ジョッキ。

そしてにしんの酢漬

テーブル上にこの店オリジナルのクリスタル・ヴァイツェンというプレミアムビールのメニューがあった。裏のほうを読むと、サッポロと協力して醸造しているらしい。エビスの樽生は置いていなかったが、代わりにこれを飲んでみる。

樽生と感じは少し違うと思ったが、爽やかな飲み口だった。

締めに、ゴロゴロ男爵とマコモ筍のグラタン

 

昼呑みしていろいろと食べたので、晩飯は軽くセブンイレブン冷したぬきうどん

この日記を書いたら、あとは早く寝て月末の仕事に備える。

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