行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2012年8月29日(水)の日記

2012年08月29日 | 日記

朝から京都方面へ出かける。

地下鉄で淀屋橋まで行って京阪電車に乗る。
大阪市手地下鉄の淀屋橋駅。

昭和30年(1955年)の映画「ゴジラの逆襲」で、ゴジラとアンギラスが戦って土佐堀川をあふれさせ、駅の中に大量の水が流れ込む場面で登場した。

大阪と京都の府境を越えたところの八幡市で下車。


大学入学前まで大阪市の南隣の堺市に住んでいたが、京都方面へ行くにしても神戸方面へ行くにしても、大きな都市でしかも観光地である京都や神戸にストレートにいってしまうことが多く、途中で降りたことはあまりない。八幡市駅で降りたのは今回が初めて。

この駅で降りたのは岩清水八幡宮へ行ってみることが目的。今も中学の国語の教科書に載っているかどうかは知らないが、自分のときは古典で最初に読むのが「徒然草」の「仁和寺にある法師」だった。

仁和寺のお坊さんが歳を取るまで有名な岩清水八幡宮に行ったことがないので、思い立って出かけたが、ふもとの神社やお寺を岩清水八幡の本殿だと勘違いして、みんな山(男山)へ登っていくのが不思議だと思いながらそのまま帰ってしまったという内容で、最後に「すこしのことも、先達はあらまほしき事なり。」でくくられる、古い時代に書かれた教訓話。

10代の頃にはよほどの歴史好きでもないかぎり、古典でそんな話を読んでもその神社に関心を持つことはないだろう。自分もそうだったから、関西に住んでいても行っていようという考え自体が頭に浮かんでこなかった。歳を取って古い町や神社仏閣に関心を持つようになって、ようやくどんなところか一度は行ってみようと思えてきた。

一の鳥居。

仁和寺の法師が男山のふもとで参拝した高良神社の鳥居。

高良神社の拝殿。

もう一つ、仁和寺の法師が参拝したのが極楽寺だがとっくの昔に廃寺になり、跡地とされる場所には日本で最大級と言われる五輪塔が建っている。

高良神社も今は小さい神社だが、徒然草が書かれた時代は極楽寺とともに壮麗なものだったらしく、それで仁和寺の法師は岩清水八幡宮だと勘違いしたのだろうということだ。

二の鳥居の先から表参道は男山への上りにかかるが、8月14日の豪雨で土砂が崩れて修復工事の最中で通れない。

でも、二の鳥居付近だけだから、男山ふもとの古くからの町を通る道を迂回する。

表参道が斜面を少し上がったところに脇から入る場所があった。

参道は大部分が階段状になっている。最初は急斜面をつづら折で上る。

高低差数十メートルだが、暑い季節は息が上がる。上りが終わる少し手前で眺めのいいところがあった。

男山山上の三の鳥居。

そして、岩清水八幡宮の拝殿。朱塗りの回廊式の社殿だった。

帰りは八幡市駅へ下るケーブルカーに乗るつもりだったが、こちらも8月14日の豪雨で土砂崩れがあったということで運休し、代行バスが運行されていた。

小型バスだが、それでも八幡市駅へ通せる道が限られているようで、男山を4分の3周ぐらい回るルートを走り、15分以上の時間を要した。おそらくケーブルよりも時間がかかっただろう。

「徒然草」の「仁和寺にある法師」の話が今日、出かけた動機なので、次はその法師がいたという仁和寺へ行くが、いくつか電車を乗り継がないといけない。再び京阪電車に乗って京都の三条へ。京都市営地下鉄の東西線に乗って終点で、嵐電(京福電鉄)に乗り換える。

さらの嵐電の別の路線に乗り継いで、御室仁和寺という駅で降りる。

御室仁和寺駅。駅名の看板は「御室駅」で、「駅」も古い字体。しかも右書き。御室仁和寺と改名したのは、観光客へ仁和寺の最寄駅であることをアピールするためだろう。

今日は朝から空模様がイマイチだったが、御室仁和寺駅を降りたら降り出していた。折り畳み傘を出して差す。

仁和寺の公式サイトを見たら、お寺の会館の食堂で食事ができるとあったが、今日は喫茶のみの営業だった。

雨はすぐ小降りになった。週中の水曜だとそれなりに人がいても、食堂をやるには少ないのだろう。

昼飯を先に食べてからゆっくりと見るつもりだったが、予定変更。主なお堂などを急ぎ足で見て回る。
これは五重塔。

そして本堂である金堂。

仁和寺は「徒然草」の話で名前しか知らなかったが、世界遺産にも指定されている有名なお寺だった。ほかには拝観料が要る御殿や庭園の区画もあったが、腹も減ったのでパス。

御室仁和寺駅すぐそばにあるという店に入る。

ゆばあんかけ丼を食べる。

再び嵐電に乗って北野白梅町へ。写真でスーパーイズミヤのビルの右にあるのが北野白梅町駅。雨は上がって、折りたたみ傘も乾いたので、たたんでデイパックへ入れる。

次は北野天満宮へ向かう。途中で目に止まった光景を写す。


菅原道真を祀った北野天満宮。大学入試が近づいた高校生のとき、一度だけ初詣に来たことがあった。それ以来になる。

北野天満宮の拝殿。

バスで烏丸今出川へ。地下鉄に乗り換えて四条烏丸へ出るつもり。烏丸今出川の南が京都御所。北側が同志社大学。同志社大学の敷地の一角に地下鉄入口が設けられていた。

同志社大学は30年余り前、受験で来たことがある。そのころは地下鉄はまだ工事中だったと思う。なので四条烏丸からバスだった。

四条烏丸。烏丸今出川でまた空に黒い雲が出ていたが、四条までくると降り出していた。

大阪方面への阪急の始発駅はひとつ隣の河原町。数百メートルあるが、四条通の歩道は交差点部分も含めてずっとアーケードが続く繁華街。ぶらぶらと歩いていく。

河原町に近づいたあたり、四条通と交差する寺町通りというアーケードがあり、入ってしばらく行くと錦通りのアーケードと交差。錦通りはけっこう有名な京都の商店街。雨になったから、さっさと帰ろうかと考えていたが、アーケードなら濡れないし、錦通りを往復してみることにする。

この商店街は地元の人たちが食料品を買いに来る市場ということが、魚屋などの生ものを売る店はたしかにそんな感じ。

でも、お菓子類や工芸品などを売る店は、すっかり観光地の店の雰囲気だった。京都最大の繁華街である烏丸のあたりにあるのだから、どうしても観光向けになってしまうのだろう。

往復して戻ってくると突き当たりに錦天満宮があったのでお参りしてくる。

あとは河原町から阪急電車に乗って帰る。