里の家ファーム

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糖質制限の本質

2016年06月06日 | 健康・病気

「痩せない人」が誤解している糖質制限の本質 良い脂質を摂るならカロリーは気にならない

     洋経済オンライン 2016.6.4

   ご飯やパン、麺類など炭水化物や砂糖が多く含まれる食べ物の量を減らすことで、そこに含まれる糖質の摂取を控える「糖質制限ダイエット」がブームとなっています。5月下旬の週刊SPA!の「飲食店での“ライス残し”に従業員から怒りと困惑の声が上がっている」というニュースを報じ、ネットでも話題になったことが記憶に新しい人も少なくないでしょう。
  一方で、糖質制限については言葉が独り歩きして正しい理解がされていない側面もあります。『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』の著者(監修は医学博士の白澤卓二氏)であり、アメリカで最先端の健康科学を研究しているアイザック・ジョーンズ博士は、「糖質制限は減量だけではなく、脳機能やメンタル、集中力の向上などにも効果があり、それも糖質を減らすだけではだめで、代わりに脂質をしっかり摂る必要がある」と指摘します。

 私はこれまで機能性医学のエキスパートとして5万人を超えるクライアントに健康指導を行い、さまざまなパフォーマンスを大きく改善に導いてきました。その中にはハリウッドスターやサウジアラビア王族をはじめとする世界のトップエグゼクティブたちもいます。
  もともとこの道を志した原点は、自らの実体験にあります。中高生のころ、脳がうまく機能せず、集中力が続かないために授業や学習にまったくついていけず、病院で「ADHD(発達障害の一種)」の診断を受け、特別クラスに入れられたのです。
   その後も一向に改善しない様子を見かねた両親が、あるとき著名な自然療法医のもとへ私を連れていってくれました。そこで受けたアドバイスが「まず、食事を変えなさい」というものでした。

  「砂糖(糖質)を控えること。そして、“良いアブラ”(脂質)を積極的に摂ること」――。自然療法医が示したこの2つのルールに沿った食事を実践したところ、わずか数週間で変化が起こりました。それまでずっと脳に“もや”がかかっているように感じていたのがすっきりと晴れ、授業中の集中力を取り戻しただけでなく、成績でも「オールA」をとるなど、周囲が驚くほどの優等生に変貌したのです。
   高校卒業後、大学から大学院へと飛び級で進学し、首席で修了した私はアメリカ最大のヘルスセンターで積んだ経験をもとに独立・起業。今では年収が1億円を超えるまでになりました。

   なぜ、それほどの劇的な変化を遂げたのか。ポイントの1つは、「砂糖(糖質)を控えた」ことにあります。

   もともと1万年前の人類が摂っていた糖質は、1年間でわずか小さじ22杯だったそうです。それがなんと、今では1年間で約63キロ、小さじ約21万杯にも上ります。現代人は常に糖質があり余った状態にあるともいえるのです。それらの糖質がタンパク質とくっついて熱が加えられると、AGE(終末糖化産物)という破壊的な物質に変化してしまうことが知られています。これが、あらゆる病気の原因となる「慢性炎症」を引き起こします。
   糖質が私たちに与えるマイナスの影響は、こうした「慢性炎症」だけにとどまらず、血糖値の急激な上下に伴う脳機能の低下や、満腹ホルモンの分泌量減少による肥満など、数え切れないほど多岐に渡ります。そのため最近では、炭水化物や砂糖などの糖質をまったく摂らない、あるいは極端に減らす食生活を送る「糖質制限」が、健康法として広まってきているのです。

 ただ糖質を減らすだけであれば、一般的な「糖質制限」と大きく変わりませんが、もう1つ非常に重要なポイントは「“良いアブラ”(脂質)を積極的に摂る」ことです。

   糖質中心の食生活になる以前、私たちの先祖は糖質をエネルギーに変える「シュガーバーニング」の代わりに、脂質中心の「ファットバーニング」という代謝システムで日々の生活を送っていました。まだ食料の少なかった当時、そのほうが安定したエネルギーを確保し、活動し続けることができたからです。

   また、現代においても、以前と同じように「ファットバーニング」システムで生活している北極やカナダ北部の人々は、ほかの地域の「シュガーバーニング」の人々と比較すると、心臓病や脳血管障害、がんの発生率が飛び抜けて低いという特徴が報告されています。こうした事実をもとに、近年「ファットバーニング」がアメリカの医学界では理想のエネルギーシステムといわれてきています。

 「ファットバーニング」のメリットとして、主に次の3つが挙げられます。

      ・脳の機能がハイレベルで安定し、集中力が高まる
      ・エネルギーが安定して供給されるため、体の機能が安定する
      ・インスリンと血糖値が常に安定した水準でキープされる

 

 実際、私がアドバイスを行ったクライアントの中には、炭水化物中心からアブラ中心の食生活に変えて「ファットバーニング」の状態を獲得し、1カ月で8キロのダイエットに成功したり、肥満からくる心臓病の予兆やうつ症状が改善したり、仕事でのパフォーマンス向上によって年収アップにつながったりなどの変化を体験するケースもあります。

  どうすれば「“良いアブラ”(脂質)を積極的に摂る」ことができるのか?

    近年、オリーブオイルやココナッツオイルのブームを皮切りに、亜麻仁オイル、えごまオイルなどの「健康に良い」と言われるアブラをスーパーでもよく見かけるようになりました。こうしたアブラは大きく「飽和脂肪酸」「オメガ9」「オメガ6」「オメガ3」といった種類に分かれるのですが、「どれか1種類に偏るのではなく、不足しがちな『オメガ3』を中心に、すべてをバランスよく摂る」ことが重要です。

 

 その結果、「1日に積極的に摂るべきアブラ」として、たとえば次のような「4つのアブラ」の組み合わせをすすめています。

   ・ギー(あるいは牧草牛のバター)
   ・バージンココナッツオイル(あるいはMCTオイル)
   ・エキストラバージンオリーブオイル
   ・亜麻仁オイル(あるいは麻の実オイル)

    これらを1日3食として、1回の食事にだいたい1~2テーブルスプーン(15~30グラム)、1日では合わせて8テーブルスプーン(120グラム)前後を目安に、料理に直接かけたり混ぜたりして偏りなく摂るのです。ダイエットに絞って言うとカロリーのことばかりが指摘されますが、同じカロリーでもそれが糖質か脂質かによっても結果がまったく違ってきます。アブラ中心で1日4000キロカロリーを摂っていても、どんどん痩せるケースもあります。