余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪センチュリー交響楽団 第147回定期演奏会

2009年12月17日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.12.17(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第147回定期演奏会
指揮/沼尻竜典
舞楽/天王寺楽所 雅亮会
コンマス/後藤龍伸
曲目:
西村朗/オーケストラのための<蘇莫者>(委嘱作品・世界初演)
フランク/交響曲 ニ短調

17.December.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 147th SubscriptionConcert
Conductor/Ryusuke Numajiri Principal guest conductor of the Century Orchestra Osaka
Bugaku/Tennoujigakuso Garyoukai
Concertmaster/Tatsunobu Goto Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
A.Nishimura/Somakusha for Orchestra(Commissioned Work,World Premiere)
C.Franck/Symphony in D minor

 もうひとつは景観、やはり街の雰囲気。ある著名人から「文化は醸成するもんじゃない。醸成なんか醤油と同じようにするな」と、変な、訳の分からないことを言われているけれど、やはり、その街の空気感や雰囲気が大事。
 私は、今、行政の中で、「空気感」という言葉を使っています。みんなは「それなんやねん」というようなことになったのですが、「空気感」というのは、みんなは何となく分かってくれると思うのですが、どうですか。その地で生まれるものは、その街の空気感が、ものすごく重要だと思うのです。
 大阪城で、桜満開の時に、あそこでヒップホップ歌う奴は、まあいないと思うよね、やはり、そこでは琴を弾いたりとか、和服だったり、そういう雰囲気があると思う。
 「クラシック」だったら、「クラシック」が生まれるような街の雰囲気とかあると思うのです。

橋下知事と語ろう 橋下文化行政に物申す!(詳細4)より
http://www.pref.osaka.jp/fumin/taiwa/bunka-4.html

年末でくそ忙しいわけ。なのでせっかくのプレトーク間に合わなかった。世界初演を前に作曲者自らが語ろうというのにもったいない。開演ギリギリに着席してプログラムを読みふける。年の瀬も押し迫ってきた12月半ば、現代音楽プラス馴染みの浅いフランス作品のプロとあって客席は寂しい。忘年会シーズンでもあるし・・・7割いますかね。どうですかね。

蘇莫者。
知事の感覚でいけば大阪に合う伝統的な大阪の音楽はせいぜい江戸期に発生した近世邦楽まで。実際ほとんどの人がそういう感覚でしょうしね。日本人の習俗を遡っても室町中期が精一杯だし。
しかし西村朗&センチュリーさんはそんな感覚で留まっていなかった。インドベトナム中国朝鮮から流れ込んだエッセンスが昇華した雅楽を西村朗の手で再創造した音楽を西洋の音楽システムの頂点であるオーケストラがやる。しかも舞う人の装束・振り付けは古来そのままでやる。ここ大阪がシルクロードの果てであることも視覚に力強く訴える。2009年、年の瀬の大阪市北区大淀が1200年の時空を超えて、いや、ぶった切って聖徳太子のおわした時代と豪快に接続される様を見よ。
芸術では腹は膨れませんわな。芸術に出来ることはせいぜい時間を折り畳んで時間に打ち勝つことだけなんですわ。
音響的にはもう西村トーンと言うべきものが出来てるので、いくつかの旧作の焼き直しのような部分はありますが、普段以上の打楽器の多用でより重層的多層的な響きが生み出されて面白かったのではないかと。まあ舞がついてないと面白さが半減するとは思う。上手から舞手が顔を出したときのあの神秘的な空気感がたまらん。

休憩挟んでフランク。
オルガニストにして交響曲作曲家であるブルックナーの中期交響曲シリーズを音楽監督である小泉さんがやってる以上、首席客演指揮者としては同じくオルガニストにして作曲家、フランスの交響曲史に燦然と輝くフランクの交響曲を取り上げないわけにはいきませんわな。
ブルックナーと共通するのはがっちりとした構築力、違うのは音色のエロティシズムと開放感。
センチュリーさんと沼尻さんですからややエロが足りない気がしましたが、両端楽章で同じフレーズが現れるたびに表情を上手く変えて飽きさせないあたりはさすが。金管頑張った。

来年の京都公演は確実に行けないみたい。悲しい。ジャンヌに全てを賭けよう。

追記:團 伊玖磨作曲の盧舎那仏讃歌というものがあってですね・・・。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。