余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪センチュリー交響楽団 第150回定期演奏会

2010年04月08日 | 大阪センチュリー交響楽団
10.4.8(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第150回定期演奏会
指揮/小泉和裕(大阪センチュリー交響楽団音楽監督)
ピアノ/若林 顕
コンマス/後藤龍伸(大阪センチュリー交響楽団コンサートマスター)
曲目:
ベルリオーズ/序曲「リア王」op.4
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
ニールセン/交響曲第4番op.29「不滅」

第150回。1999年に迎えた第50回はヴェンツァーゴ指揮で武満&ホリガーというトンガリ具合がハンパ無かった頃のセンチュリーさんでした。第100回はDVDにもなってますが都響さんとの合同演奏でアルプス交響曲。大曲にも適性をつけて幅広く聴衆にアピールしたいセンチュリーさんでした。そして今回の第150回。

人間、生まれてくるとき泣くのはな、この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しいからだ。〔第4幕〕

リア王。
幻想交響曲の録音を100点ほど集めてしまってるおぢさんのベルリオーズ生活の比率って幻想交響曲90%ハロルド10%ぐらいなのね。序曲なんてローマの謝肉祭ぐらいしか聴かない。序曲集とかあるにはあるけど。だいたいこのリア王なんて録音してるのはよほどのベルリオーズ指揮者でしょう。C・デイヴィスとかデュトワとか・・・と思いながらCD棚眺めてたらカナダCBCのCD、秋山和慶/ヴァンクーヴァー交響楽団でフランクの交響曲のカップリングに入ってた。秋山先生なんで録ってんのよ。ということでこれで先に勉強。リア王ってベルリオーズの序曲で一番長いんだけど、長いだけでイマイチ何が言いたいのか分からぬ。これを新シーズン冒頭に持ってくるかね。
と疑問に思いつつ聴いた。和裕のベルリオーズに対する適性は半端無いね。音を重く長く鈍く引かせる冒頭から中間までとそこからの躁状態までの急上昇の差がえげつない。嘲笑と呪詛で輝かしく幕。ドラマそっちのけで指揮者本人の感覚だけで組み上げてたけどすごいもんです。これCDにしようよ。

パガ狂。
若林さんは協奏曲も独奏曲も基本的に同じなので合わせる気持ちがあまりないときがある。
立派なオケと立派なソロが互いを気にせず大人の対応でつじつまだけが合っていく素晴らしさ。ロシア臭さも無ければ圧倒的な名技術を聴いたわけでもなく、どっちつかずで好かん演奏だった。悲しい。

休憩挟んでニールセン。
そもそも北欧のニールセン自体がまだまだ知名度が無い。フィンランディアやヴァイオリン協奏曲があるシベリウスですら「なんですかそれ」ぐらいの扱いですもの。関西でこの曲をやったのは十数年前の大フィルですか。秋山先生で。おぢさんもあれが生演奏初体験だった。あと関フィルさんが北欧で売り出し中だった山下さんと2番をやったぐらい。比較的有名なフルート協奏曲はどうだったか・・・。ですのでとにかく(関西では)演奏されてないわけ。小泉さんがこの曲にどういう思い入れでトライするかは知りませんが、カラヤンが何故かこれを録音している。数多ある同曲の録音の中では出来が悪いほうですがね。
余談ですがこの曲の(第4楽章の)日本初録音は井上道義/新日本フィル。音源供給元の徳間ジャパン=ドイツ・シャルプラッテンがこの曲の音源を所有してなかったので、銀河英雄伝説のサントラ用に録音した。実はこれが公式な日本初演奏でもあるらしいですがそれはさておき。銀英マニアからすればこの曲はレグニッツア上空遭遇戦の「敵はどこだ!?」「そこです!」の瞬間であり、アムリッツァ星域会戦の「生き残ったら余生は健康に留意することにするよ」の瞬間なわけ。たぶん世界で一番ニールセンの交響曲第4番(の第4楽章)を聴いているのは日本人なんじゃないかな。
秋山先生のお力を持ってしてもいまいちアンサンブルを纏め切れなかったこの作品、センチュリーさんでもやはり綻びは合った。中間でフルート五重奏にまで成り代わる、繊細かつ豪快な独特のオーケストレーションを再現し切るというのは難しいものがありますね。それでも壮大な第4楽章で号泣したので文句なし。というかブルックナー以上にエキストラ入れてんじゃん(笑)
まあ宜しかったんじゃないですか。
キンボー/シンフォニカーが更に難物な5番をやりますのでニールセン面白いじゃないかと思われた方は行きましょう。おぢさんも当然行きます。

しかし小泉さんの円熟に気づいてるのが関東の一部の人間だけ、というのが切ない。
先入主というのはやっかいだねえ。




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