MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

「ぼくと1ルピーの神様」

2007年05月19日 | BOOKS
 「ぼくと1ルピーの神様」ヴィカス・スワラップ著

ぼくは逮捕された。
クイズ番組に出場し史上最高額の
賞金を勝ち取ったのが、その理由だ。

学校にも通わなかった。
本も読まなかった。
でも確かに、
ぼくは「答え」を知っていた。




 何気なく読み始めて、最後まで一気に読んでしまいました。
 胸が痛くなるほど残酷でありながら、爽やかささえ感じるストーリー。
 インドの抱える社会的な問題・闇を、「これでもか」というほど書いているはずなのに、前向きな一人の青年の物語として不自然でないという作者の力量に感服です。

 著者はなんと外交官。
 近年、ITの担い手として世界中から注目されているインドの現実を世界に発信したこの作品は、彼の外交官としての仕事以上に功績が大きいかもしれません。


 蛇足ですが……、

 5月17日の毎日新聞で、「『ダウリ殺人』年7000件」という記事がありました。
結婚時に持ってきた持参金(ダウリ)が足りないと、夫とその親族が妻を虐待し、その被害者の数が年間約7000人に上るというニュース。持参金の高額化を背景に、人口に占める女性の割合が世界最低になっているということに驚きました。日本では「産むなら女の子」と言う女性も多いというのに……。
(男性1000人に対する女性の割合は、日本が1041人。インド政府の最新統計では880人というから異常です。)

 性別に関係なく子供の誕生を喜べることが、世界中で当たり前になってほしいと願わずにはいられません。
 
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5 コメント

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インディアン (naomi)
2007-05-20 22:44:02
香港には元英国領だったせいか、インド人が沢山います。香港の(ピンからキリの)平均と比べると、フツウ~裕福な家庭が多いように思う。
ITの担い手でありながら、無意味な悪習に染まったままなんて不思議ですね。

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>naomiさん (ムーニー)
2007-05-21 10:21:08
急激に社会が変わりつつある中、勝ち組負け組の差が大きくなってるのでしょうね。古い慣習にしばられた貧困層は、悪習のループから抜け出せないでいるのだと思います。
 親世代の意識改革が進まなければ、子から孫へと悪習は続いていくのでしょうね。

 「働かざるもの食うべからず」
女性の持参金に期待して働かない男なんて、最低だと思いません?それが当たり前というふうに育った男性がいるなんて、恐ろしいです。
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こわい・・・ (nao)
2007-05-21 18:45:48
以前、深夜のドキュメンタリーでやっていたのですが、確かインドだったと。
村である家族とある家族の間でトラブルが起こりました。一方の家族がもう一方の家の娘さんの顔に硫酸をかけるという事件が続出したそうです。整形手術のために日本に来たとか、日本人医師が行ったとかという話でした。何人かお顔を見せてましたが見るに耐えませんでした。
一日も早くこういったことがなくなることを願います。気持ちの悪い話ですみません。。
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>naoさん (ムーニー)
2007-05-22 12:53:42
女性が「結婚」という行為でしかお金を稼げない、労働力としてみなされない国々の不幸なのだと思います。
 娘の容姿を傷つけることで、相手の家族全体の経済力さえ奪おうとする。

 おかしな話ですよね。
 娘には罪はないのに。

 娘を持つ母親として、胸が痛みます。
返信する
そうですね (nao)
2007-05-23 08:55:25
硫酸が簡単に手に入ってしまうのもおかしな話ですよね。顔にっていうのが酷い。外を歩けないですから。顔が原型をとどめていなくて、誰がわからないし、それで婚約解消されたりするようでした。
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