MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『図書館の魔女 烏の伝言』

2015年02月13日 | BOOKS
『図書館の魔女 烏の伝言』(トショカンノマジョ カラスノツテコト)
著:高田大介
講談社


 一気に読みました。
 1年以上待っていた『図書館の魔女』の続編です。
 このシリーズは、文字が鮮やかな映像になって私の中で記憶の一つになる、そんな貴重な体験をさせてくれます。

 続編とは言え、この本だけで読んでも十分に楽しめます。
 こちらを先に読めば、『図書館の魔女』を読みたくなる事必至です。

 前作同様、「言葉」が一つのモチーフとなっていますが、人と人・人と動物との言語ではないコミュニケーションも今回は大きく物語を動かしています。
 もともとは仲間ではない寄せ集めのようなおかしな集団が、なにかに導かれるように敵へと向かっていく一部始終は、読み終えてからみると手妻のような、鮮やかな展開です。

 ううむ。面白かった。

 表紙を見て、仮のタイトルだった『売国奴の伝言』よりも『烏の伝言(カラスノツテコト)』のほうが、しっくりとくるように思いました。
 今回の装丁も本当に素敵です。青の地色に書かれた経文(?)と赤い蔦花文様のアラベスク(宝相華唐草?)。そして烏の黒。
 見返しにも感激。
 読むだけでなく、見て、手で触れて、紙の本の喜びがいっぱい詰まっていて嬉しくなっちゃいます。

 目次のページも、読み終えてから見ると、また違った目線で見えてきます。


 前作のお気に入りの登場人物がほとんど登場しないことはちょっぴり残念でしたが、さらに世界広がって、次作がますます楽しみになります。
 今度は、キリヒトとマツリカの感情のあふれるような手話のやりとりが出てくるといいなぁ。

<関連記事>
『図書館の魔女』(上)(下) - MOONIE'S TEA ROOM
『図書館の魔女』感想 つづき - MOONIE'S TEA ROOM

<関連サイト>
『図書館の魔女 烏の伝言(つてこと)』高田大介|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部

<追記 2016.09.20.>
 『図書館の魔女』が文庫化されて、特設ページができてました。
 文庫版は全4巻なんですね。
高田大介『図書館の魔女』特設ページ - 講談社文庫
 第3作『図書館の魔女 霆ける塔』(トショカンノマジョ ハタタケルトウ)についても、「2016年刊行予定」と案内がありました。
 とても楽しみです。

<追記 2017.05.13.>
 『図書館の魔女 烏の伝言』の文庫版が発売になります。
『図書館の魔女 烏の伝言 (上)』 - 講談社文庫
『図書館の魔女 烏の伝言 (下)』 - 講談社文庫
 発売日は2017年5月16日です。
 昨年(2016年)刊行予定だった第3作『図書館の魔女 霆ける塔』については、「図書館の魔女」特設ページにて「2017年刊行予定」となっていました。著者ブログの更新もほぼ1年間留まった状態なのですけれど『烏の伝言』の文庫版発売で、なにか新しい情報が出てくるといいなぁ。
<追記の追記 2017.05.16.>
  著者ブログ、更新されてました。なんとはなしに、ホッとしました。

 
コメント
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