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moon

「なれのはて」加藤シゲアキ 2024-3

「なれのはて」加藤シゲアキ

報道局からイベント事業部に異動になった
守谷に同僚の我妻が
たった1枚の絵を見せる。
この、1枚の絵で個展を開きたいという。

誰も知らない
「イサム・イノマタ」の著作権を追って、
そして、猪俣家の謎を追っていく。

東京と秋田を行き来する
時間、戦前、戦中、戦後を追いかける時間の移動。

序盤からこれは止まらんやつだなと思いながら、
グイグイと読み進めた。


守谷の幼少のエピソードは余分かなぁ
とちょっと思った。

戦争にまつわることや、
絵画のことをえがく作品は多いけれど、
彼にしか書けない小説だと思った。

最後に少し明るい未来が予想される
エンディングも良かった。

テレビ局員が追うというのも、面白かった。

絵画や、昔の事件を追う小説は
多く存在するが
加藤シゲアキにしか書けない小説だと思った。
彼しか書けない、それはすごいこと

惜しかったぁ、直木賞。


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