月の照る夜に

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カクシンハン「タイタス・アンドロニカス」

2017-08-20 20:51:17 | 舞台・芸能

先日観た舞台 カクシンハンの「タイタス・アンドロニカス」(こちら


8月14日~20日
吉祥寺シアター

演出:木村龍之介
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子

シェイクスピア初期の作品で、最も暴力的で残酷な物語だそうです。
これは読んだことも舞台で観たこともない作品だけれど、タイトルに聞き覚えが・・。
蜷川さんが、当時まだあまり名を知られていなかった吉田鋼太郎さんを主役に抜擢した舞台ですね。

一応、あらすじを・・
ローマ将軍タイタス・アンドロニカス(河内大和)は、捕虜であるゴート人の女王タモーラ(白倉裕二)の長男王子を殺して、戦死したわが子たちの霊廟への生贄とする。タモーラは、新ローマ皇帝の座に就いたサターナイナス(のぐち和美)に取り入って后となり立場が逆転する。
タモーラとその愛人であるムーア人エアロン(岩崎MARK雄大)の策略によって、タイタスの娘ラヴィニア(真以美)はタモーラの息子達に夫を殺され凌辱された上に、口封じのため舌と両手を切り取られる。更にタイタスの二人の息子達は冤罪により逮捕される。タイタスは自分の片手を切り落とし、皇帝に献上して釈放を願うが、息子達は死刑に処せられ、彼らを救い出そうとした長男ルーシアス(鈴木彰紀)はローマ追放を宣告される。すべてがタモーラ達の仕業であることを知ったタイタスは・・


おもしろかったです。おもしろい・・・そう、凄惨な話で、人がどんどん死ぬけれど、ところどころ笑いもあり。
どこへ行くの~的なところもあるけれど、締めるところは締まって、本質は外れない。
カクシンハンは今年初めの「マクベス」に続いて2回目だけど、あの時の感想を読み直してみると、今回も同じように感じたかな。

ローマの時代へエレベーターで飛び、エアロンの流ちょうな英語で始まる。
生ドラムがカッコイイ! オープニングの音楽と舞台上のノリと黙って見つめる客席にちょっと戸惑いもあったけど(魔都脳になってる・笑)

↑のあらすじも読んでいかなかったけれど、話はすんなり入ってきた。
舞台の熱量もすごいし、ひきこまれていくから、時間がたつのが早かった。ただ、1幕はちょっと冗長に感じたところもあったり、意味がよくわからない場面とか身内受け的なノリはあまり好きではないかな~
ゴート人の女王タモーラが何故ビキニ?とは思ったし、男性が演じているうえでの露出度にも何故?と思ったけれど、それも気にならないくらいの妙な説得力がありました(笑)
白倉さん、身体能力はすごいし、そして、変(誉めてます・笑) ちょっとアドリブ的なことはやりすぎと思ったところもありましたが・・。

突然、仁義なき戦い風になったり、和風だったり、英語だったり、ある意味何でもありだけど、それがちゃんとおさまっていって、シェイクスピアって自由なんだな~と思ったり(笑)まあ、きちんと台詞をのせられる役者さんたちがいたからだとも思いますが・・。
「マクベス」の時も思ったけれど、音楽の使い方がよくわからない。アフタートークで選曲について質問された方がいて、演出の木村さんが答えていたけれど、それでもよくわからなかった。Xジャパン、さだまさし(精霊流し)・・。
ラヴェルのボレロはよかった(聴くと、愛と哀しみのボレロを思い出すけど)。あれは場面にも心情にもピタッときた。

舞台上にはセットらしきものはなくて、テーブル、イスをうま~く使って・・。上の空間もフル活用。いろんなものを吊るす、中2階を使い、上がり、下りる。
パイプ椅子の使い方が好き(笑) そして、穴の表現方法が上手い。
剣は物干しざお?
ラヴィニアの口と手から下がる赤い血・・なんだろうけれど、コード? 先についているものが気になって・・。
これを見た時、蜷川さんの「あわれ彼女は娼婦なり」を思い出した。あの舞台も最後は殺戮が延々と続いたけれど、血の表現は赤い糸でされて、それが凄惨だけれど美しかった。そういう感じなんだろうし、真以美さんの演技もよかっただけに、あの太さと先についたものが美しくなかったのがもったいない。 

タイタスの息子ルーシアスはネクストの鈴木彰紀くん。台詞が明瞭で、動きがしなやか。ルーシアスの挙兵の場面の動きが特に。
そして、タモーラの息子カイロンと2役。ラヴィニアの夫バシエイナスとタモーラの息子ディミートリアスも1人2役。この表裏的役どころを1人の人が演じているのは、この作品自体が、善も悪も表裏一体、絶対的な正義なんてない、見方や立場が違えば、善にも悪にもなるということなのか。人間は、いつの時代も変わらない。
復讐は復讐を生み、連鎖していく。救いのない話ではあるけれど、ラストは静謐で美しかった。

そして、何といっても河内大和さん。その存在感と朗々と語る台詞の口跡の美しいこと。ダイナミックで、でも繊細で、狂気ともとれる哀しみを抱えた表現のうまさ。
ほんと、お顔は全く好みではないんだけど(失礼^^;)、ひたすらカッコイイ!
通路脇の席だったので、すぐ横で演じてる姿も見られてよかった(笑)
シェイクスピアの言葉って、綺麗だな~と思う。
公式よりお借りしました(^^;)

この後蔵之介さんの「リチャード三世」とさい芸の「アテネのタイモン」にも出演とのこと。リチャードは行けないけど、「アテネのタイモン」は観たい。楽しみ。


終わったあとはシアタートーク。司会は主宰&演出の木村さん、カンパニーのメンバーは岩崎さんと真以美さん。
質疑応答もありましたが、木村さんが話している時間が多かった(笑)
木村さんにとって「タイタス・アンドロニカス」は特別な作品のようで・・(初演は3年前) 学生時代に、蜷川さんの稽古場に行きたくて、思い切ってお願いしたところ、いいよと言われていったのが「タイタス・アンドロニカス」の稽古場だったとか。
それにしても、あれだけエネルギーを使う舞台をやって、その後のトーク。終わってからソワレの開演まで30分くらいしかないんじゃないのかな? すごい。
たまたまチケ取った日にアフタートークあったけど、前々日は松岡先生、翌々日は鈴木くん、それも聞いてみたかったな~

アフタートーク終わって出ると、出口でキャストがお見送り。大変だ~ まあ、大体ファンや知り合いの方たちと話してるみたいですけど(笑)

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