MOONの似顔絵エッセイ

似顔絵師MOONです。
似顔絵よもやま話をぼちぼちと書いていきます。

映画の時代

2006年01月04日 | 映画
街を歩いていると、目に飛び込んでくる映画の大看板。
大きいものになると畳何十枚にもなるものが、かっては少なくなかった。
これには、特別な思いが私の中にある・・・。

 私は、今年還暦を迎え定年退職をする。これを期に、
過去を振り向いてみても許されるのではないかと思い、
ささやかな体験を披露することにした。 
まず、最初の煌めく時間を共有してくれた
当時の上司、先輩、同僚に感謝したい。それと”時代”に。

 その頃、そう1960年私は高校を卒業し、上京した。 
人生の新舞台を首都東京で迎えることになった。舞台は大きい。
そこでの第一歩。期待に胸をふるわせたものだ。当時の若者は、
今よりももっと東京に期待を寄せていたものだ。 
「若い根っこの会」など中卒の集団就職の人達が金の卵ともてはやされ、
TVにも盛んに出演していた。 ちょうど、坂本 九のジェンカの節で
おもちゃの竹製のヘビのように連なって踊っている画面が鮮やかに甦る。

20歳から23歳までの足掛け3年、私は新宿歌舞伎町にある映画の
看板屋で修行をしていた。この時代は映画界が最も華やかで、
元気があった時代で、日本の映画界の黄金期が形成されていった時代である。
また、東京が今のように世界都市になる基礎を造った
東京オリンピック開催までの時代である。私にとっては、
まさに”大学”だった。
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以上の文章は、6年前に私が始めて作ったホームページ「20世紀の館」
に掲載していったエッセイ「映画の時代」の冒頭のあいさつ文である。
その頃は、どこの町にも、映画館とお風呂屋さんがあった。
地元の商店街にも活気があった。人々にもやる気が満ちていた。

21世紀になって今の日本を見てみると
あらゆる分野で系列化が進み、勝ち組、負け組みなどという言葉が生まれた。
日本の各地に郊外型の大型ショッピングセンターが幅を利かせている。
映画館も時代の流れに逆らえなかった。
町の映画館は姿を変えた。今はシネコンが主流となり、
癒しとコミュニケーションの場だったお風呂屋さんも姿を変えてしまった。
町に映画館とお風呂屋さんが消えていくと共に
地元商店街も灯が消えたように元気を失っている。
効率が錦の御旗となった感があるが、そのほころびがあちこちに出てきた。
日本は効率化・利益追求を追いかけてきた日本である。
その結果、庶民の文化、巷の文化が極度に貧しくなった。
モノ作りの職人の仕事を奪ってきた。
日本人としての誇りやプライドさえ失おうとしている。

年が明けて2006年である。
藤沢周平原作、山田洋二監督、真田真之・宮沢リエ主演の時代劇
「たそがれ清兵衛」を我が家のテレビでDVDで見た。
レンタルで借りてきたものだ。便利になったものだ。
映画は非常に丁寧に作られていて好感がもてたが、
やはり映画館で見たかった作品である。
元気のなくなった日本の映画界ではあるが、昨年は時代劇が健闘した。
昨年、藤沢周平原作の時代劇、「蝉しぐれ」「隠し剣鬼の爪」「どら平太」
を見たが、今日見た「たそがれ清兵衛」で藤沢作品四本目となる。

今はその勢いは韓国に追い越されてしまった感があるが
かつて、日本には「映画の時代」というべき時代があった。
黒澤明監督の「椿三十郎」は日本の映画がまだ勢いがあった時代
1962年に作られた映画だ。
冒頭のイラストは神戸の映画看板絵師 山中一夫さんが描いた
映画「椿三十郎」の三船敏郎の絵を使わせてもらって、
映画看板の製作現場のシーンを私が描き、
エッセイ「映画の時代」の挿絵として使ったものだ。


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39 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (mago)
2006-01-05 11:47:55
 こんにちは TBありがとうございます。プロフィールを拝見しましたが、moonさんは多趣味ですごいですね。似顔絵師だなんて!!カッコいい!!64歳のブロガーというのも・・・。地元のじっちゃん・ばっちゃんに見習えと言いたいぐらいです。(実際こわくて言えませんが)



 magoも藤沢周平ゆかりの地庄内の情報を載せていきますので今後とも宜しくお願いします。
映画の時代 (saki)
2006-01-05 12:50:35
こんにちはmoonさん。TBいただいてお寄りしました。映画の話、楽しく拝見しましたが、似顔絵シリーズも面白いですね。今まさに藤沢周平の「市塵」(新井白石の話です)を読んでいます。いい映画をじっくり見たいですね。
はじめまして。 (ビジベン)
2006-01-05 13:09:36
あけましておめでとうございます。

TB、どうもありがとうございました。



子供の頃は、家の周りに4つも映画館がありましたが、今はすべてマンションになってしまいました。でも銭湯はまだ3分の2くらい残っています。



電車に乗らないで、気軽に入れる映画館が近所にあったらなと思います。



私も学生時代は漫画研究会にいましたのでイラストには興味があります。

これからもよろしくお願いします。
TBありがとうございました (月光浴)
2006-01-05 15:56:04
「たそがれ清兵衛」よかったですね。

黒澤作品の時代劇も数作品観ました。

面白いです。

また、訪問させていただきます。
TBありがとうございます (稀人舎)
2006-01-05 19:14:08
「たそがれ清兵衛」私も好きな映画です。

ロケ地の鶴岡出身なので、

役者さんたちの庄内弁に嬉し恥ずかしな気分でしたが…
TBありがとうございます (saba)
2006-01-05 19:37:00
ものすごい反応の速さのTBでびっくりしました。

(しかもgooブログから!)



イラスト修行中なのですが、どうも似顔絵苦手です。

特徴を掴んで、自分流の絵にしたいのですが、特徴を掴めないどころか、自分流の絵すらまだ描けてません。

日々修行ですね~。



このサイトとっても勉強になります。

またじっくり拝見させて、似顔絵の技術を身につけたいです。がんばります。
はじめまして! (平次郎)
2006-01-05 21:25:29
moonさん、TBありがとうございます!

今日は、娘の映画館デビューの日となりました。

僕自身も、かなり久々でしたが・・・。

僕の生まれ育った町も、今変わろうとしています。

かなり寂しいです・・・。

またお邪魔します!
TBありがとうございました! (高瀬涼)
2006-01-05 22:24:43
はじまして。TBありがとうございます!

蝉時雨はもう見られたのですね。

この作品も早く見たいと考えています。

今はちょっとした時代劇ブームですからこれからもっといい作品が続々でるといいですね。



私もDVDで見ましたが『たそがれ~』確かに映画館で見たかったかも。
ああ、映画よ! (blue1toto)
2006-01-06 06:54:08
トラックバックありがとうございます。60年代から70年代も素晴らしい時代だったですね。
時代劇 (fuuten-tora)
2006-01-06 08:44:30
 

TBありがとうございました。

映画といっても、老人には時代劇です。

黒澤監督、三船敏郎がまず目に浮かびますね。



最近は、テレビの上でしか観ませんが、

最近は藤沢周平ですね。庄内で侍の魂を求めて

たまりませんね。またお邪魔します。

ご健闘をいのります。