●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●史上初、国際研究チームが地球サイズの電波望遠鏡でブラックホールの撮影に成功

2019-04-10 22:49:41 | 宇宙

 4月10日、国立天文台など世界約80の研究機関による国際研究チームは、世界6か所で同時に行われた記者会見において、巨大ブラックホールとその影の存在を初めて画像で直接証明することに成功したと発表した。

 これは、地球上の8つの電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」よって行われた。イベント・ホライズン・テレスコープは、世界中の電波望遠鏡をつなぎ合わせて、圧倒的な感度と解像度を持つ地球サイズの仮想的な望遠鏡を作り上げるプロジェクト。

 今回撮影されたのは、おとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホール。このブラックホールは、地球から5500万光年の距離にあり、その質量は太陽の65億倍にも及ぶ。

 ブラックホールは、莫大な質量を持つにもかかわらず非常にコンパクトな、宇宙でも特異な天体。ブラックホールがあることで、その周辺の時空間がゆがみ、周囲の物質は激しく加熱される。

 イベント・ホライズン・テレスコープは、超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometry: VLBI)という仕組みを用いている。世界中に散らばる望遠鏡を同期させ、地球の自転を利用することで、地球サイズの望遠鏡を構成する。

 今回イベント・ホライズン・テレスコープが観測したのは、波長1.3mmの電波。VLBIにより、イベント・ホライズン・テレスコープは解像度20マイクロ秒角という極めて高い解像度を実現できた。これは、人間の視力300万に相当し、月面に置いたゴルフボールが見えるほど。

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●宇宙探査●JAXA、2021年度以降、月面探査を積極的に推進

2019-04-09 16:11:55 | 月面探査

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2021年度以降、月面探査を積極的に推進する。

 2021年度には、月着陸実証機「SLIM(スリム)」の打ち上げを計画しており、誤差100m以内のピンポイント着陸を目指す。

 また、2023年度には、インドと共同で、月面に着陸し、資源の可能性を探る「月極域探査」を行う。

 さらに、2026年には、月面の試料を採取し、地球に持ち帰る「HERACLES(ヘラクレス)」探査機の打ち上げを計画している。

 

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●宇宙探査●小惑星探査機「はやぶさ2」、衝突装置の分離が計画通り実施されたもよう

2019-04-05 17:56:39 | 宇宙探査機

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、4月5日、小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載した衝突装置(SCI:Small Carry-on Impactor)を小惑星「リュウグウ」へ向けて分離する運用を実施した。  

 「はやぶさ2」の広角の光学航法カメラ(ONC-W1)により、SCIの分離が行われた様子を捉えたことから、SCIの分離が計画通り実施されたもよう。

  「はやぶさ2」は衝突装置運用による影響を回避するため、SCI作動前に小惑星後方の安全地帯に退避した。探査機の状態は正常。    

 現在、SCI作動の有無や、リュウグウにクレーターができたかどうかの確認作業中。

 リュウグウにクレーターができた場合、5月下旬にも着陸して、地中から試料の採取を目指す。

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●宇宙探査●JAXA、4月5日の「りゅうぐう」への衝突装置の運用実施時の管制室の様子をライブ中継

2019-04-03 14:11:02 | 天体観測施設

  

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、4月5日に行われる小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星「りゅうぐう」への衝突装置の運用実施に際して、管制室の様子をライブ中継(配信)する。

<放送予定日時>

 平成31(2019)年4月5日(金)10時00分~12時15分頃    

 「はやぶさ2」の運用に関する情報については、「JAXAウェブはやぶさ2特設サイト」「はやぶさ2プロジェクトサイト」において提供する。

 

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●宇宙探査●理研などの国際共同研究グループ、アルマ望遠鏡で大質量連星系の起源を解明

2019-04-03 09:43:26 | 宇宙

 理化学研究所のイーチェン・チャン研究員を中心とした国際共同研究グループは、アルマ望遠鏡を用いて、「とも座」の方向、距離5500光年にある天体「IRAS 07299-1651」から放たれる電波を観測することによって、この天体のガス雲の中では、生まれたての2つの重い星が連星系を成しており、アルマ望遠鏡の高い解像度を生かした観測によって、これら2つの星の間の距離とそれぞれの運動、さらにその周囲を取り巻くガスの運動を捉えることに成功した。

 電波の強度から連星系の質量を求め、ガスの運動と合わせて分析した結果、同研究グループは、2つの星がそれぞれ別個に誕生したのではなく、先に生まれたより重い星の周りにあるガス円盤が分裂し、そこからもう1つの星が誕生したと結論付けた。このような状況が明らかにされたのは初めてのこと。

 太陽の8倍以上の質量を持つ重い星のほとんどは、相棒の星と回り合う連星系を成しているが、こういった連星系がどのようにして作られたのかは長年の謎となっており、その形成過程は分厚いガスの雲に覆われているため、これまで観測が困難であった。

 今後、他の系で同様の解析を実施することで、大質量星の連星系の形成過程が次々に明らかにされていくことが期待される。

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●宇宙探査●気象庁とJAXA、連携して各国へ衛星全球降水マップ(GSMaP)をインターネットで提供

2019-04-01 14:32:46 | 人工衛星

 アジア・太平洋地域の各国の気象機関が行う警報等の発表業務に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用している衛星全球降水マップ(GSMaP)を効果的に活用できるよう、気象庁とJAXAは、精度評価や提供情報の検討等に関する技術開発連携を開始した。

 アジア・太平洋地域の国では、例年、台風や大雨等自然災害により多くの被害をこうむっている。特に、地上の気象レーダーによる観測が難しい山間部や海上の降水分布の状況把握の改善は、アジア・太平洋地域の各国の気象機関において大きな課題となっている。  

 気象庁が担う、世界気象機関(WMO)ナウキャスト地区特別気象センターは、アジア・太平洋地区内の各国の気象機関が行う注意報・警報の発表業務支援のため、気象実況資料及び短時間の予測資料を、インターネットを経由して提供していくものであり、同センターは平成30年12月に運用を開始した。  

 一方、JAXAでは、様々な衛星観測データを解析・統合した衛星全球降水マップ(GSMaP)を通じ、全世界の降水データを広く提供している。GSMaPは、地上の気象レーダー等の観測手段が無く、降水状況の把握が難しい場所においても、降水の推定に役立てることができる。  

 気象庁及びJAXAは、気象庁が担う各国の防災情報の作成を支援するナウキャスト地区特別気象センター業務において、各国の気象機関が行う警報等の発表業務に、JAXAの取り組むGSMaPデータを効果的に活用できるよう連携して、その精度評価、提供方法、形式や提供情報の詳細についての検討等更なる技術開発、必要となる研修や人材育成等に取り組み、アジア・太平洋地域の気象機関を積極的に支援する。  

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