かせをいたみ-いはまかくれの-いたやかひ-そてのたちもや-すみかとはする
(斎宮貝合~日文研HPより)
おきつかせ-あれたるうらの-いたやかひ-そもみのほとの-すみかなりけり
(新撰和歌六帖-家良~日文研HPより)
あやしくそ-うらめつらしき-いたやかひ-とまふくあまの-ならひならすや
(新撰和歌六帖-信実~日文研HPより)
かせをいたみ-いはまかくれの-いたやかひ-そてのたちもや-すみかとはする
(斎宮貝合~日文研HPより)
おきつかせ-あれたるうらの-いたやかひ-そもみのほとの-すみかなりけり
(新撰和歌六帖-家良~日文研HPより)
あやしくそ-うらめつらしき-いたやかひ-とまふくあまの-ならひならすや
(新撰和歌六帖-信実~日文研HPより)
(題不知) 小大進
わが恋はかたしかたしのからす貝あふやあふやと心さはかす
(後葉和歌集~群書類従10)
(内に、貝合(あはせ)せんとせさせ給けるに、人にかはりて)
波よするしらゝの浜のからす貝ひろひやすくもおもほゆる哉
(山家集~「和歌文学大系21」明治書院)
水くくる玉に交じれる磯貝の片恋ひのみに年は経につつ
(みづくくるたまにまじれるいそかひのかたこひのみにとしはへにつつ)
(万葉集~バージニア大学HPより)
きみにのみ-なくさのはまの-いそかひも-かすめるなみに-なほやひろはむ
(玉津島社歌合~日文研HPより)
光の肉親、熱の姉妹、色の血族。八月はあらゆる色彩と光輝と炎熱との昏迷する鎔鉱炉である。怪物のやうに大きな八つ手の葉の無言の恐怖は黙黙したたつて地面にひそみかくれ、鉄の環を鼻にはめて追はれる牛のやうに青春の狂気の永遠性は法衣の香にむせびながら空鳴りするみづからの蹄のおとに夢をふみしだく。
(『限定版 大手拓次全集 別巻』(白鳳社、1971年、447p)より「季節題詞」)