菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

半分と1の人。  『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

2018年07月14日 00時01分51秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1338回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

 

 

 

 

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に続く「スター・ウォーズ」スピンオフ・シリーズ第2弾。

『スター・ウォーズ』シリーズの中でも屈指の人気を誇る銀河最速のパイロットで運び屋、愛すべきアウトローの英雄ハン・ソロの若き日に焦点を当て、伝説のヒーロー誕生までの知られざる物語を描き出す。

 

ヤング・ハン・ソロに扮するは、『ヘイル、シーザー!』のオールデン・エアエンライク。

監督は、『ダ・ヴィンチ・コード』、『ラッシュ/プライドと友情』の巨匠ロン・ハワード。

 

 

 

 

 

物語。

昔々、遥か遠い銀河の彼方。
世は、銀河帝国の暗黒支配が激しさを増していた。

惑星コレリアで生まれ育った若者ハンは泥棒組織で働かされていた。自由を求める彼は幼なじみのキーラとともに星からの脱出を図る。
そして、夢であった銀河一のパイロットとなるために、帝国軍のアカデミーへ入る。
3年後、ハンは帝国軍の歩兵として戦場にいた。

キャラクター創造は、ジョージ・ルーカス。
脚本は、ジョン・カスダン、ローレンス・カスダン。

 

 

 

 

出演。

オールデン・エアエンライクが、ハン・ソロ。
ヨーナス・スオタモが、チューバッカ。

ドナルド・グローヴァーが、ランド・カルリジアン。
フィービー・ウォーラー=ブリッジが、L3-37。

ウディ・ハレルソンが、ベケット。
タンディ・ニュートンが、ヴァル。

 

エミリア・クラークが、キーラ。

ポール・ベタニーが、ドライデン・ヴォス。

 

ワーウィック・デイヴィス。

 

 

 

 

 

 

 

スタッフ。

製作は、キャスリーン・ケネディ、アリソン・シェアマー、サイモン・エマニュエル。
製作総指揮は、ローレンス・カスダン、ジェイソン・マクガトリン、フィル・ロード、クリストファー・ミラー。

撮影は、ブラッドフォード・ヤング。

プロダクションデザインは、ニール・ラモント。
衣装デザインは、グリン・ディロン、デイヴ・クロスマン。

編集は、ピエトロ・スカリア。

音楽は、ジョン・パウエル。
テーマ曲は、ジョン・ウィリアムズ。

 

 

 


昔々遥か銀河の彼方、パイロットに憧れ、若き泥棒ハンが故郷から逃亡を図るSFアドベンチャー。
ハンがハン・ソロになる物語。SF冒険アクションがつまっている。つまってはいる。ハン・ソロでなければただ楽しく見れただろう。
気のいい仲間と巨大な世界観、豪華な絵面がある。が、軽いようで弾けない会話、目的の薄いミッション、こじんまりした状況、シリーズを継ぎ切らない流れが心を切れ切れにする。
どこかで商魂が透けて見えているのか、こちらの眼が濁っているのか。
でも、スピンオフで続ける気満々なのはなぁ。
オールデン・エアエンライクは固いが名前ほどは悪くない。
ロン・ハワードは職人ぶりを発揮している。
中学生の俺は起きてくれなかった。
半人前がいっぱしの顔をしてるふりがバレる揃作。

 

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『SOLO: A STAR WARS STORY』。

『ソロ:スターウォーズ物語』。

 

 

 

上映時間は、135分。
製作国は、アメリカ。
映倫は、G。

 

 

 

 

キャッチコピーは、「すべての男(ヒーロー)に、はじまりの物語がある――」。

はじまり感がないんだよなぁ。 

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

ロン・ハワードは、ジョージ・ルーカスから、『EP1』の監督依頼をされていたが、自分の製作会社を立ち上げたばかりだったので断っている。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

興行的には、目も当てられないコケ方をしている。
でも、内容は、そこまで酷い出来ではない。(別に知りたい内容や秘密があるわけでもない)

だから、理由は凄く複合的なのだろう。

公開時期、製作中のトラブルによるマイナスイメージ、キャスティング、逆に働いたキャラ愛、『EP8』への失望、予告編で全く内容が分からなかったこと、シリーズに飽きてしまった、ディズニーによるフランチャイズ化への拒否反応、などなど。

おいらが、特に強かったのではないか考える要因は、シンプルに、ジェダイが出ないことなんじゃないかと。

『ローグ・ワン』は、絶対にダースベイダーが出ると思われ、実際に強烈な見せ場があったが、『EP4』でソロはジェダイは神話と言っているので、絶対出てこないのが分かっている。

しかも、『EP4』でソロはチューバッカとのコンビというよりも、このコンビと丁々発止をするルークやレイアとのやり取りが面白かったのであった。今作のキーラ、ランド、ベケットとのやり取りはそれに全く匹敵しなかった上、まだチューバッカとのコンビも弱いので、さらにパワーが落ちていた。
多くの人は、『スターウォーズ』の世界観が好きなのではなく、ジェダイを愛していたのではないか。
つまり、剣を抜かない侍の時代劇を見せるには、かなりの題材がいるのだ。

ハリソン・フォードというスターの力もあるだろうが、『ヤング・インディー・ジョーンズ』はそれなりに成功を収めている(テレビドラマではあるので簡単には言えないが。まだテレビドラマが現在のように、ここまでの力を持っていない時期であることは考慮したい)。

だが、この少年期を映画の中で一度見せていたこと、しかもそれをすでにスターになりかけていたリバー・フェニックスでやったことは、強かったのだと思う。

 

オールデン・エアエンライクは、劇中では、かなりハリソン・フォードに寄せているのだが、真面目なのだ。軽みが薄い。
ソロは、危なきゃ、仲間を見捨てそうな男なのだ。息子の教育も友人に任せる男でもある。
その男が本シリーズでいい部分を見せるからいいのに、若い頃は真面目だったんですよってやるなら、そのマイナスの成長を見せなければならなかったはず。もちろん、そもそもそういうやつだって見せて欲しかったのだ。
オリジナルシリーズを書いたローレンス・カスダンではあっても、原作者ではなく、どこかでディスニー色になってしまった。

そして、ハン・ソロの物語は、快活な冒険活劇でなければならなかった。
ロン・ハワードは、『ウィロー』という真面目なファンタジーで語った歴史はあるが、基本、真面目な語り部。真面目と不真面目の対比は巧いが、不真面目がヒーローであるのが得意ではないことが露呈してしまった。

 

 

結局、『スター・ウォーズ』は仮面劇でありマシーンの物語。
だから、今作でのもっとも魅力的なのは、チューバッカであり、なによりミレニアム・ファルコン号であった。

 

たぶん、『スター・ウォーズ』では、本質は、同じであることが重要なのだ。

CGになろうとも、アニメになろうとも、別の俳優の顔の上にCGで元の俳優の顔を再現しようとも許される。
仮面が同じなら。
だが、今回、初めて、その仮面が変わった。

ハン・ソロの仮面はハリソン・フォードの顔だったのだ。

ならば、今作はハリソン・フォードが出て、回想していたら、どうだったろうか?

冒頭は、こうだ。『EP7』で老いたハン・ソロはチューバッカとともに、宇宙怪獣を掴まえ、ミレニアム・ファルコン号ではない輸送船に載せている。チューバッカが時間がかかり過ぎた遅れるぞと告げる。「ああ、確かにこいつはミレニアム・ファルコンじゃない。だが、宇宙一のパイロットがいるだろ」と軽口を叩く。コックピットにはあのダイスが揺れている。
一気に、コレリアで足掻いてたあの頃を思い出すのだ。

『ローグ・ワン』が見た後で、『EP4』を見たくなったように『EP4』を見たくなるかというとそうでもない。
違い過ぎるのだ。

だから、『ハン・ソロ』はあえて『EP7』を見たくなるようにしてもよかったのではないか。

 

ジャバ・ザ・ハットとの因縁こそ描く話も検討したんだろうなぁ。やっぱ、『EP4』にすぐ続くように。

 

 

ランドとL3が、コブラとレディに見えたり。初めての色っぽいドロイドってのもありだったのではないかしら。 

というか、女性でドロイドの権利を訴えるキャラって、その後の『スター・ウォーズ』 世界をダメにするよね。時代を遡ってるんだから。しかも、元の脚本にはなかったのをロン・ハワードが付け加えたそう。それはいいのだが、とってつけた感になってるのがダメ。
ファルコン内ランドにだけ主張して、活動家にしないで、彼女の思いは裏に潜めるからこそ味が出る。
これは、『EP8』におけるワープ特攻と同じくらいダメです。あれは『EP4』の苦労が無駄になったんだから。これは、その後のシリーズでドロイドが出てくるたびに奴隷とか差別を意識して見てしまうことになるのだから。
せっかく、『EP2』からクローンになって、ファーストオーダーがクローン以外を兵に起用して、『EP7』でフィンがそれを担ったのに。



 

 

 

 

ダース・モールはアニメ版の続きの方では、下半身を機械にして生きている。
今後の実写ドラマや噂のスピンオフ『オビワン』に繋がるのでしょう。
それで、キーラやダース・モールが『EP4』以後に出てこない理屈をつけるのか。

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 7月12日(木)のつぶやき | トップ | 7月13日(金)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(公開映画)」カテゴリの最新記事